2018年9月21日金曜日

関空、旅客便が全面再開 正常化へ貨物・道路に課題

 台風21号の被害を受けた関西国際空港の第1ターミナル北側部分の運用が21日に再開された。第1ターミナルの復旧で旅客便の運航はほぼ通常通りに戻ったものの、貨物便の減便は続いている。関空と対岸を結ぶ連絡橋の道路の全面開通は来春になる見込みだ。関空の正常化に向けた課題を整理する。

■貨物、日本航空が10月に通常運航へ

 関空を運営する関西エアポートは21日、浸水被害を受けた国際貨物地区を公開した。貨物地区の復旧作業は旅客地区よりも遅れており、貨物の受け入れ能力は台風通過前の5~6割にとどまる。9月末に8割程度まで戻るとみられる。

報道陣に公開された関西国際空港の国際貨物地区(21日午後)

報道陣に公開された関西国際空港の国際貨物地区(21日午後)

 同社によると、21日はアゼルバイジャンのシルクウェイ・ウエスト航空など6社が貨物便を運航した。運航会社は従来の4割ほどだった。全日本空輸は貨物の新規受け付けを始めた。ただ、当面は衣類など一部の品目に限り、「全面的な復旧の見通しは立っていない」という。

 それでも復旧作業は徐々に進んでおり、関空を発着する貨物の約6割を扱う日本航空の担当者は「10月には通常運航できる見込み」と説明する。台風通過直後は倉庫に海藻が入るほど浸水していた。「現在は消毒など最終段階に入っている」という。

 関空は日本全体の医薬品輸入の26%のシェア(金額ベース)を持つ。関西エアポートが保有する医薬品の定温保管倉庫が顧客獲得に貢献した。同倉庫は浸水で大きな被害を受けた。同社の西尾裕専務執行役員は「(倉庫の)内部をきれいにしている段階で、9月末に医薬品の取り扱いを再開したい」と話す。

 同社グループで空港の地上業務を担うCKTS(大阪府泉佐野市)は通常、約15社の航空会社から半導体や化学品などの積み下ろし作業を請け負っている。担当者は「取扱量は少しずつ戻っている」と話す。

■道路、通行制限の緩和探る

 タンカー衝突で破損した関西空港連絡橋は21日時点でバス、タクシー、貨物トラックは通行できるが、マイカーとレンタカーは通行できないまま。関空のターミナル機能の回復によって通行可能な車両数を増やすことが課題となっている。

 同連絡橋を管理する西日本高速道路会社は同日、対面通行としていた連絡橋を上下2車線から3車線にした。渋滞が発生するかを見極めながら、車種の制限撤廃や通行量の復活を模索する。

 関空連絡橋は下り線の橋桁にタンカーが衝突したため撤去し、2019年4月末めどの完全復旧までは上り線の対面通行が強いられる。関空島へのボトルネックとならないためには工夫が必要で、同島に向かう車線を2、同島から出る車線を1と計3車線化した。関西エアポートはこれまで朝6~9時の混雑時間帯は渋滞回避のために同島に向かう貨物トラックの通行自粛要請をしていたが、これにより通常通行が可能になった。

 同連絡橋は17年に1日平均2万2800台が通行していた。今回の車線拡大でこの規模の通行は可能だという。ただ、同連絡橋は関空島に入ってからカーブで通りにくい箇所もあり、渋滞の要因になる。また週末や年末年始などに渋滞が起きる可能性もある。このため、朝の時間帯の混雑状況を見極め追加対応を決める。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3564395021092018LKA000/

0 件のコメント:

コメントを投稿