[フランクフルト 25日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)は25日の理事会で、主要政策金利の据え置きを決定した。成長見通しが悪化したと認める一方、景気の下支えを目的とした2兆6000億ユーロ(29億7000万ドル)規模の量的緩和(QE)について予定通り年内に終了する方針を確認した。来年の夏場以降の利上げにも引き続き含みを残した。
ドラギ総裁は理事会後の記者会見で、域内経済の勢いが最近弱まったと認めた上で、保護貿易主義の台頭や新興国市場、金融市場動向を巡り「多大な不透明感」が漂うと指摘。ただ「こうしたことが理由でECBがベースライン(基本)シナリオを変更するかと問われれば答えは『ノー』だ」と明言した。
経済へのリスクは「おおむね均衡」しており「景気の基調的な底堅さは、インフレが目標に向けて収れんし続け、資産買い入れを差し引きで段階的に縮小した後も維持されるというわれわれの確信を引き続き支持している」とした。
一方、通貨同盟についてはなお脆弱だと指摘。銀行同盟や資本市場同盟を確立しなければならないとし、資本市場同盟が深化すれば大規模な財政能力は必要でなくなると述べた。ただ中銀や欧州官僚のみでは進展させることはできず、政治上の適切な対応が必要とした。
こうした発言を受け、ユーロは下落。ユーロ/ドルEUR=は0.1%安の1.139ドルで推移した。発言前は1.143ドルまで値上がりしていた。
理事会後の声明では、現行の金利水準を最低でも「2019年夏にかけて」据え置くことが再確認された。ドラギ総裁は刺激策の延長に関する議論はまったくなかったと説明した。
イタリアの財政問題については妥協点が見出されると確信していると指摘。イタリア国債の下落で一部銀行の資本状況が悪化する恐れについては「将来の予測はできないが、イタリア国債は各行のポートフォリオの中に含まれており、銀行の資本が毀損している」と述べた。
ブレグジット(英国のEU離脱)については、協議が長引くほど民間部門は合意なき離脱への準備を強いられることになるとした。
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