駿河湾特産のサクラエビが深刻な不漁に見舞われている。静岡県桜えび漁業組合は初めて漁期短縮や出漁船の制限などの自主規制を設け、来月24日までの秋漁期間のうち、今月は休漁を決定。再開のめどは立たず、サクラエビの加工品販売にも影響が出始めている。
「漁に出られないのは漁師にとって死活問題」。同組合の望月武組合長(75)は苦渋の表情を見せる。
サクラエビは国内では駿河湾だけで水揚げされ、春漁(3~6月)と秋漁(10~12月)を行う。昨年の水揚げ量は1132トンで、過去20年でピークの1999年から半減。今春は312トンと、統計が残る1974年以降、春漁では最低だった。原因ははっきりと分からないが、サクラエビの生態に詳しい東海大の鈴木伸洋教授は「取りすぎと考えられる」と指摘する。
同組合では、例年より漁期を遅らせて臨んだ秋漁初日の今月12日に調査操業をしたところ、親エビがほとんど取れなかった。このため、今月の休漁を決めた。来月の出漁は、今後の調査を踏まえて決めるという。
不漁を受け、静岡市清水区の由比港漁協直営でサクラエビを使ったメニューが人気の「浜のかきあげや」は、今月中旬から営業日を週6日から週3日に短縮してやりくりしてきたが、在庫が底をつき、26日から一時休業することとした。
同区の加工業者は、お歳暮用にサクラエビを扱う全ての取引先に断りの電話を入れた。同社社長は「書き入れ時なのに、厳しい」と肩を落とした。
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