2018年11月26日月曜日

西武新特急、JR九州デザイナーはどう評した

銀色の円筒、豪華列車「ななつ星」とは対照的

先頭部分に曲面ガラスを採用した西武の新型特急「ラビュー」は来春デビュー予定だ(写真:西武鉄道)

「レッドアロー」の後継として、西武鉄道池袋線に来春デビューする新型特急電車「Laview(ラビュー)」のデザインが話題だ。完成車両はまだ正式に公開されていないが、車両を製造した日立製作所笠戸工場から西武の車両基地へ搬送される様子や、車両基地内での試運転の様子がユーチューブやツイッターにアップされるほど注目を集めている。

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この新型車両のキャッチコピーは「今まで見たことのない新しい車両」。確かに、銀色に輝くボディ、床面まで届きそうな大きな窓、そして旅客機を思わせる球体のような先頭形状は確かにこれまでの鉄道デザインとはまったく違う。

「今まで見たことのない車両を造ってほしい」

基本デザインを手掛けたのは、建築家の妹島(せじま)和世氏。トレド美術館ガラスパビリオンや金沢21世紀美術館など著名建築物の設計で知られる日本の建築家ユニット「SANAA」(サナア)の共同運営者の1人であり、「建築界のノーベル賞」と呼ばれるプリツカー賞を2010年に受賞している。

石川県金沢市にある金沢21世紀美術館。妹島和世らによる建築家ユニット「SANAA」が設計した。円形の総ガラス張りが特徴で、中にはさまざまな形の展示室が配置されている(写真:共同通信)

建築物も鉄道車両も内部で人が過ごす構造物という共通点があるせいか、建築家が鉄道車両のデザインをする例は珍しくない。西武の観光列車「52席の至福」をデザインした隈研吾氏、南海電気鉄道の特急「ラピート」をデザインした若林広幸氏、「VSE」「GSE」など小田急電鉄の数々のロマンスカーをデザインした岡部憲明氏、えちごトキめき鉄道の観光列車「雪月花」をデザインし、現在はJR西日本(西日本旅客鉄道)の「新たな長距離列車」をデザイン中の川西康之氏など、何人もの名前を挙げることができる。

ラビューの基本デザインを担当した建築家の妹島和世氏。手掛けた建築物は高い評価を得ている(撮影:尾形文繁)

そんな中で、妹島氏のデザインした車両はなぜここまで話題を集めるのか。10月29日に都内で行われたラビューの発表会で、西武の後藤高志会長や女優の土屋太鳳さんと並んで妹島氏も登壇し、報道陣の質問に答えた。妹島氏のコメントから今回の車両デザインに対する思いが見えてきた。

西武が妹島氏に出したリクエストは、キャッチコピーである「今まで見たことのない新しい車両を造ってほしい」というものだった。妹島氏にとって鉄道のデザインは初めて。さまざまな鉄道車両のデザインを研究することから始めたという。

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