(ブルームバーグ)米アップルが示した7-9月(第4四半期)の売上高見通しは、大方のアナリスト 予想を上回った。年内に新型の投入が予想される「iPhone(アイフォーン)」需要の根強さと、アップストアなどのサービス事業の重要性の高まりを示唆した。
新型アイフォーンは通常、9月中旬か下旬に発売され、数週間分の売り上げが7-9月期に含まれる。一部のアナリストは高級機種の新型アイフォーンの発売が遅れるとの懸念から予想を引き下げていたが、この日のアップルの見通しはそうした懸念を払拭(ふっしょく)させた。
1日の 発表資料によると、7-9月期の売上高は490億-520億ドル(約5兆4100億-5兆7400億円)の見通し。アナリストの予想は491億ドルだった。
ティム・クック最高経営責任者(CEO)はブルームバーグテレビジョンのエミリー・チャンとのインタビューで、「全ての情報をつぎ込んで業績予測を出した。新学期の開始時期の見通しは良好だ」と語った。
4-6月(第3四半期)のアイフォーン販売台数は前年同期比1.6%増の4100万台強と、ブルームバーグがまとめたアナリスト予想とほぼ一致した。売上高は7.2%増の454億ドルと、アナリスト予想の平均(449億ドル)を上回った。「アップストア」などのサービスを中心に全ての製品カテゴリーが伸びた。一時は流行に遅れたと思われたタブレット「iPad(アイパッド)」も15%増えた。1株利益は1.67ドルで、アナリスト予想の平均は1.57ドルだった。
決算発表後の米株式市場の時間外取引で、アップルの株価は一時6%強上昇した。通常取引終値は150.05ドルだった。年初来では約30%上昇している。
マーリン・キャピタル(ボストン)のマイケル・オブチョウスキー最高投資責任者(CIO)は、「アイフォーン発売10周年のデザイン変更を前に、大規模な買い控えがあるのではないかとの懸念がなくなり、若干の安心感がある」と指摘。「新型アイフォーンがそれほどわくわくするものではなくても問題ではないと私は考え始めた」と述べた。
アップルは今年、3種の新型アイフォーンを発売すると予想されている。事情に詳しい関係者がブルームバーグに語ったところによれば、「アイフォーン8」に加え、現行の「アイフォーン7」と「アイフォーン7プラス」のアップグレード版を投入する見込み。
クックCEOは、新型アイフォーンに関する報道を受けた消費者の買い控えが「過去よりも大きいもようだ」と発言。また「アップストアは引き続き、業績の主たるけん引役だった。サービス事業の伸びにわれわれはこの上なく満足している」と語った。
香港と台湾、中国本土を含む中華圏の売上高は、前年同期比9.5%減の80億ドル。為替の影響を除いたベースでは本土の売上高は横ばいで、香港が最も大きく落ち込んだと、クックCEOはインタビューで述べた。
原題: Apple Signals Resilient IPhone Demand Helped by Supporting Cast(抜粋)
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