2日の東京株式相場は続伸。米国アップルの好業績が投資家の買い安心感を誘い、村田製作所や日本電産などサプライヤー銘柄が上げた。国内でも良好な決算が相次ぎ、第1四半期が黒字転換のJFEホールディングスなど鉄鋼株が業種別上昇率1位。ホンダなど自動車、化学株も堅調。
TOPIXの午前終値は前日比4.58ポイント(0.3%)高の1633.08、日経平均株価は82円87銭(0.4%)高の2万68円66銭。
ソシエテジェネラル証券の杉原龍馬株式営業部長は、「日本のファンダメンタルズは良い。通常、4ー6月期段階では通期計画を変更しない製造業企業でも、上方修正が多い」と言う。鉄鋼や自動車、銀行など「これまで株価がアンダーパフォームしていたセクターに業績見直し買いが入っている」との見方も示した。
米アップルが1日に発表した7ー9月(第4四半期)の売上高見通しは490億ー520億ドル、アナリスト予想は491億ドルだった。一部アナリストは新型iPhone(アイフォーン)の発売が遅れるとの懸念から予想を引き下げていたが、懸念が払拭(ふっしょく)した格好だ。アップル株のほか、サプライヤーの株価も米国株の時間外取引で上昇。きょうの日本株市場でも、村田製など電子部品株中心にアップル関連銘柄が強い動きとなった。
国内の4ー6月期決算もコンセンサスを上回る企業が目立つ。三菱UFJモルガン・スタンレー証券によると、決算発表済み企業で5月末時点より通期経常利益を上方修正した企業は7.8%と2013年4ー6月期以来の高水準となっている。下方修正は0.6%と05年度以降では最低水準。個別では通期営業利益計画を上方修正したホンダ、4ー6月期経常利益が黒字転換したJFEHD、4ー6月期営業利益が予想を上回ったKDDIも高い。
きょうの日本株は電機や鉄鋼中心に買いが先行、日経平均は一時117円高の2万103円まで上げた。ダウ工業株30種平均が6日続伸するなど前日の米国株高、為替の安定も支援材料。きょうのドル・円は1ドル=110円30ー60銭で推移した。前日の日本株終了時は110円28銭。
一方、7月の米自動車販売が米国勢を中心にアナリスト予想より大きく落ち込んだ点はマイナス材料として意識されている。三菱モルガン証の藤戸則弘投資情報部長は、「自動車販売の落ち込みはいよいよ深刻化してきた。物価への慎重な見通しから長期金利は上がりにくく、ドル安・円高傾向で日本株の上値は抑制されてしまう」と懸念を示した。ソシエテ証の杉原氏は、「日本株全体への資金流入というより、セクター間でのポジション調整が中心。足元で日本株を動かしているのは国内勢や個別売買のヘッジファンドで、グローバル投資家の資金流入は見られない」と言う。
東証1部33業種は鉄鋼、電機、その他金融、化学、輸送用機器、空運、海運、ゴム製品など16業種が上昇。水産・農林や鉱業、建設、非鉄金属、不動産、陸運など17業種は下落。売買代金上位では、4ー6月期が増収増益の参天製薬、1ー6月期が大幅増益のコカ・コーラボトラーズジャパンが大幅高。半面、ソニーや住友化学、帝人、大成建設、ニチレイは安い。
- 東証1部の売買高は8億2783万株、売買代金は1兆1613億円
- 上昇銘柄数は1041、下落は848
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