楽天と西友は26日、ネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を協同運営すると発表した。新サービスは2018年の第3四半期(7-9月)に提供開始となる予定だ。中身を知ると双方に大きなメリットがありそうだが、楽天が西友の上を行きそうにも見える。
「楽天西友ネットスーパー」は、西友の親会社ウォルマート・ストアーズ・インクと楽天が戦略的提携を結んだことで誕生するネットスーパー事業だ。
現在、楽天には生鮮食品宅配サービス「楽天マート」があり、西友にもネットスーパーの「SEIYUドットコム」がある。独立独歩でのサービス展開もありそうだが、戦略的提携を機に、統合によるサービス強化のほうが双方に大きなメリットがあると考えたようだ。
サービス統合のメリットとは?
具体的には、配送能力の向上、品揃えの拡充と利便性の向上が見込まれる。
配送では、西友の実店舗からの配送に加えて、ネットスーパー専用の配送センターを2018年内につくり、配送件数の大幅な増加を目指す。
品揃えの面では補完しあう関係となりそうだ。もともと、楽天マートでは生鮮食品や日用品の販売を目的としてスタートしたネットサービスだが、現状を見る限り、こだわりの食品・食材の取扱いが多いように見受けられる。対して、SEIYUドットコムは生鮮食品や日用品の取り扱いが多い。
新事業では西友の強みとなる質と低価格を実現した商品を提供し、そこに楽天のこだわり商品を併せて販売していくという考えのようだ。これらのことから、双方にとって足りないものを補うこととなりそうだ。
利便性の向上に向けては、楽天スーパーポイントを新サービスに導入し、楽天のECサイト運営ノウハウやビッグデータやAIを活用したレコメンド機能の提供や品揃えの最適化を図っていくという。こうしたテクノロジーも活用しつつ、西友は楽天の持つ9300万人の会員基盤にリーチできるようになるというわけだ。
楽天の真の狙い
新事業は相互補完の関係にありつつ、享受するメリットは双方ともに大きい。しかし、楽天が得るメリットは西友の上を行くとの見方もできるのだ。
楽天の基本戦略を知ると、その意味がわかる。楽天はマーケットプレイスを主軸にしたビジネスからは脱却、すでに会員基盤をもとにデータの利活用を進めるデータカンパニーへ移行している。蓄積したデータを分析・活用して、広告ビジネスや投資活動へと結び付け、収益化を図ろうとしているのだ。
こう考えると、楽天にとっての最大のメリットはサービス利用者の購買データであり、事業収益だけではない。西友の上を行くメリットを持った事業提携に見えてくる。この見立てが正しければ、楽天が今後も別業種・業界で事業提携を進めてもおかしくはなさそうだ。今回は、新たなネットスーパーの誕生がニュースとなるが、楽天がデータカンパニーとして、歩を進めていると捉えることもできるのではなないだろうか。
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