会社清算の検討に入ったヤマトヤシキ(兵庫県姫路市)が、新たな運営会社を設立して営業を継続する加古川店(加古川市)について、「ヤマトヤシキ」の屋号を残すことが27日、関係者への取材で分かった。2月末で閉める姫路店からブランド店の一部を移し売り場をてこ入れする。
一方、同社が昨年6月に希望退職を募集していたことも同日、分かった。関係者によると、50歳以上の正社員やパートらを対象に募り、全従業員の約3割に当たる約100人が応じて同年8月31日付で退職した。人員削減を通じて経営再建を図ろうとしたが、果たせなかった。
加古川店の運営を担うことになる新会社は、ヤマトヤシキのスポンサーである投資ファンド「マイルストーンターンアラウンドマネジメント」(MTM、東京)と、免税店大手のラオックス(同)が共同出資する見通し。社名や本社所在地は未定だが、長年親しまれてきたヤマトヤシキの屋号を残し、外商を中心に顧客離れを防ぎながら、開拓余地の大きい若年層らの集客を図る。
加古川店は2001年3月に開業した。加古川市の第三セクターが、破綻した加古川そごうの店舗建物を買い取り、ヤマトヤシキが入居。JR加古川駅前の看板施設で、市や地元経済界が家賃優遇などで全面支援してきた経緯がある。08年秋のリーマン・ショックで不振に拍車がかかった姫路店の売上高を11年2月期以降上回っている。関係者によると、加古川店の業績は「大きい額ではないが、利益は出ている」という。
ヤマトヤシキは現在の全従業員約260人をいったん解雇し、新会社が約半数を再雇用する方針。50代の男性社員は「会社からは、再生へのプロセスが示されたと感じている。お客さまの支えに感謝して、頑張り続けたい」と話している。(井上太郎、切貫滋巨、伊田雄馬)
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