[東京 28日 ロイター] - 金融庁は、巨額の仮想通貨が流出した問題で、仮想通貨取引所大手・コインチェックに対し、改正資金決済法にもとづき週内にも業務改善命令を出す方向となった。関係筋が28日、明らかにした。
金融庁は28日、同社から流出の経緯や今後の対応方針などの報告を受けた。同庁は、セキュリティの甘さのみならず、システムやサイバーセキュリティ対策の重要性への意識が低く、ガバナンス体制にも重大な問題があるとみている。
コインチェックは、26日に約580億円相当の仮想通貨NEMが流出したと公表。同時にネットから隔離した「コールドウォレット」でNEMを保管せず、常時ネットワークに接続された「ホットウォレット」で管理していたことも明らかにしていた。
識者からは、同社のセキュリティの甘さが指摘されており、その点が焦点の1つになりそうだ。
同社は28日、NEMの保有者約26万人に総額約463億円を返金すると発表。返金は自己資金から日本円で行なうが、返金時期や具体的な手続きは検討中としている。
金融庁は仮想通貨取引所の登録制を2017年4月に導入。コインチェックは、導入前から仮想通貨の交換業を行なっていたため、「みなし業者」として営業を継続してきた。
和田崇彦、編集:田巻一彦
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