ファッションECサイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは1月31日、プライベートブランド「ZOZO」の販売を開始した。伸縮センサーを内蔵する採寸用ボディースーツ「ZOZOSUIT(ゾゾスーツ)」で計測したデータを使い、1人1人に合った服を製造し販売する。即日〜約2週間で納品するという。
「ZOZO」第1弾のラインアップはTシャツ(1200円、以下税込)4色、デニムパンツ(3800円)3色。さまざまな体形に合う何千ものサイズパターンが用意されており、ZOZOSUITで計測したデータを使い、ほぼオーダーメイドのようなぴったりのパターンを提案する仕組み。
価格についてスタートトゥデイの前澤友作社長は「アパレル業界の常識から考えると、非常に高い原価率。ただ、注文に合わせて作るので余剰在庫のリスクがない。また、オフラインの店舗やスタッフもないのでコストがかからず、生産プロセスのIT化や自動化も進めたことで、低価格を実現できた」と説明する。今後はカットソーやビジネスシャツの販売を予定しているという。
「将来的には、ZOZOTOWNの収益を超え、トップファッションブランドになりたい。ファストファッションブランドの世界はZARAやH&Mといった大先輩方がけん引しているが、そこに並ぶ、いずれは超えていくと夢は広がっている」(前澤社長)
ZOZOSUITのデータ活用
プライベートブランドのカギとなるのが、11月に無料配布の予約受け付けを始めたZOZOSUITだ。センサーが内蔵されたスーツを着用し、スマートフォンアプリ「ZOZOTOWN」の計測機能を実行すると、5秒ほどで体形がミリ単位のデータとなる。
計測したユーザーの体形データはZOZOブランド以外にも活用する。ZOZOTOWNで自分に合ったサイズの商品だけを検索できる「自分サイズ検索」機能を実装し、利用者の買い物の利便性向上を図る。また、前澤社長は「人類の体形がビッグデータとして蓄積される。この宝物のようなデータをプライベートブランドのためだけに使うのはもったいない」とし、データを活用する研究所を設立した。
ただし、ZOZOSUITは31日に発送を始めたが、予約数数十万件に対して生産数が追い付いておらず、到着は最長6カ月かかる可能性があるという。スーツが行き渡り、希望者がZOZOブランドの服を購入できるようになるには時間がかかりそうだ。
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