公正取引委員会は24日、ふくおかフィナンシャルグループと十八銀行の統合計画を承認すると発表した。長崎県内の合算シェアが7割に上ることなどで難色を示したが、顧客の他行への借り換えによるシェア低下の目処が立ち独占を回避できると判断した。
公取委の菅久修一・経済取引局長は記者会見で「問題解消措置を前提とすれば、独禁法上問題がないと認められた」として、十八銀との統合を目指すふくおかFGに伝えたことを明らかにした。解消措置には他の金融機関への債権譲渡が含まれる。両社の統合時期を公取委は言及していないが、共同通信などは2019年4月を目指すと報じた。これは当初予定から2年遅れになる。
長崎県地盤の親和銀行を傘下に置くふくおかFGと十八銀は16年2月に統合で基本合意、時期は17年4月を予定した。しかし公取委の審査が難航、時期を17年1月にいったん17年10月に延期、さらに17年7月に未定としていた。両社は競合金融機関への顧客の借り換え支援や統合後の顧客に不利益にならないように金利を監視する仕組みを導入するなどの改善策実施を表明。借り換えが1000億円弱に達していた。
今回の統合が認められたことは、地銀の再編機運を後押ししそうだ。両社の統合は23日夕方に報じられており、モルガン・スタンレーMUFG証券は報道が事実なら今後も同域内で高シェアの銀行同士の統合が進むきっかけになると連想され、地銀業界にポジティブとの見方を示していた。24日株価終値は、ふくおかFGが前日比14円(2.4%)高の606円、十八銀は同25円(7.7%)高の350円。
過去10年の地銀統合審査は15件あったが、例えば17年に承認された第四銀行と北越銀行の統合では、新潟県内10地区の合算シェアが40-60%と今回のケースより大分低い。これについて、ふくおかFGは長崎県は今後、九州地方で最大の人口減少により経営環境の急速な悪化が見込まれる地域であり、金融サービス維持のために「経営統合による効率化が不可欠。とりわけ同一地域内の経営統合は重複店舗の統合などシナジー効果が大きい」などと正当性を主張してきた。
(第2段落に公取委の会見でのコメントなどを追加して更新します.)
Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-08-24/PDXU7R6K510G01
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