2018年8月25日土曜日

2000円札はどこに…=不人気たたり流通0.7%-沖縄では増加、訪日客に期待も

 最近めったに見かけない2000円札。

 登場した2000年当時は景気浮揚効果も期待されたが需要は伸びず、現在の流通枚数は紙幣全体のわずか0.7%にとどまる。遠くない将来、「幻のお金」と化すのか。

 「大変不人気です」。今月上旬、東京都内のメガバンクの支店窓口で、記者が行員に2000円札への両替を依頼しても、この日は払い出していなかった。両替依頼はめったになく「夏休みに子どもに見せたいという母親が求めに来る程度」という。

 2000円札は18年前の九州・沖縄サミット(主要国首脳会議)に合わせて発行。日銀によると、03年度までに8億8000万枚が製造されたが、流通量は04年の約5億枚をピークに減少し、近年は1億枚弱で推移している。24年前に発行が停止された500円札の約2億枚をさらに下回り、残りの約7億8000万枚は、痛んで裁断された紙幣を除き、日銀の金庫で再流通の機会を待つ。

 日銀や財務省は20ドル札など「2」のつく紙幣は欧米でも使い勝手がいいとアピール。職員に2000円札で給与を渡すなど普及に努めてきた。だが、自動販売機は、おつりの大きさが敬遠されて導入が進まず、出金を受け付けない現金自動預払機(ATM)が大半を占める。発行当初から「高額紙幣が幅広く使われている日本で2000円札のニーズは低いことが軽視された」(財務省OB)とも指摘される。

 日銀那覇支店によると、地元の観光名所がお札に描かれた沖縄県では2000円札の流通量が現在約600万枚まで増加。沖縄銀行のATMでは「不要」ボタンを押さない限り出金され、土産品店はおつりとして渡すなど工夫を凝らしてきた。

 国民的な不人気の打開へ、政府は訪日外国人に再流通の機運を高めてもらおうと、全国の空港やホテル、両替施設などに英文リーフレットを大量に配布。「訪日客に使ってもらい、国民も魅力を再発見してほしい」(財務省国庫課)として、源氏物語絵巻や紫式部といった2000円札の図柄を紹介し、「日本のちいさな文化財」と積極的な交換を呼び掛けている。 

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