2018年8月23日木曜日

携帯料金値下げへ議論 野田総務相が競争ルールの検証を諮問

 野田聖子総務相は23日、情報通信審議会に、携帯電話市場の競争活性化による料金引き下げや、第5世代(5G)移動通信方式の普及を見据えた通信ネットワーク整備の在り方など、6項目からなる電気通信事業の競争ルールの包括的検証を諮問した。菅義偉官房長官が「4割程度下げる余地がある」と述べた料金引き下げなどの議論がスタートした。来年6月に中間報告、来年末に最終報告書がとりまとめられる見通しだ。

 総務省が諮問した6つの包括的検証は、ネットワーク整備の在り方などの通信事業者のコストや市場環境の変化に関するものが多く含まれる。そのため、総務省は、通信事業者の新たなコスト負担の増加などを踏まえた上で、料金引き下げの可能性を探っていく方針とみられる。

 野田総務相は「予断を持たずに新たな視点から精力的な議論を」と述べたが、料金引き下げの具体的な方向性については示さなかった。また、審議会の内山田竹志会長(トヨタ自動車会長)も「結論ありきでなく、サービスの利便性や競争活性化など幅広く検討したい」と述べるにとどめた。

 料金引き下げをめぐっては、菅官房長官が21日に「4割程度下げる余地がある」と発言したことで、NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクグループの大手3社の株価が同日に下落するなど波紋を呼んでいる。

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