マイナス金利の長期化などで金融機関の経営環境が厳しくなる中、3大金融グループが大規模なリストラに動き始めた。最新のデジタル技術を使い単純業務の自動化を進め、店舗や人員を大幅に削減する。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(FG)傘下の三菱東京UFJ銀行は、国内約480店舗のうち1、2割を統廃合する方向で検討に入った。金利情勢に加え人口が減少していることを受け、費用構造を大幅に見直し収益力を高める。
三菱UFJは、策定中の2018年度からの中期経営計画で、収益強化の具体策を打ち出す。「旧来型の改善の積み重ねでは対応できない」(三毛兼承頭取)として、デジタル技術を活用した無人店なども検討していく。ATM(現金自動預払機)の利用率に変化はないものの、5年前に比べ、銀行窓口を訪れる顧客数が減少する一方で、携帯やパソコンを使ったモバイル、インターネットバンキングは4割も伸びている。こうした中、単純な事務作業を削減し、代わりに信託や運用といった高度なサービスに対応できる店舗に切り替える。デジタル技術の駆使などで9500人分の業務量を減らす方針だ。
一方、みずほFGも今後10年程度で、グループ全体の3分の1に相当する約1万9000人分の業務量を削減する計画だ。事務作業の自動化や店舗の再編を進め、浮いた人材は営業現場に回す。大量採用されたバブル世代の退職が近づく中、新規採用は抑制する。国内外の従業員は現在の約6万人から、26年度までに約4万人へと段階的に減る見通し。早期退職の募集はしないとみられる。
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