[ニューヨーク 26日 ロイター] - ニューヨーク外為市場ではユーロが対ドルで売られ、約1年4カ月ぶりの大きな下落を記録した。
欧州中央銀行(ECB)が債券購入を来年1月から9月末まで月額300億ユーロに縮小することを決定し、必要があれば延長するとの姿勢を示したことで、ECBが来年利上げに踏み切るとの観測が後退したことが背景。
ECBはこの日の理事会で、現在月額600億ユーロとしている債券買い入れを来年1月から月額300億ユーロに減額すると同時に、買い入れを同年9月末まで継続することを決定。
理事会後に記者会見したドラギECB総裁は、ユーロ圏の経済成長に対し楽観的な見方を示したものの、インフレ率が低迷していることはECBによる大規模な量的緩和が引き続き必要であることを示しているとの慎重な立場を崩さなかった。
ゲイン・キャピタルの調査部門責任者、ジェームズ・チェン氏は、「ECBがテーパリング(段階的縮小)に対する非常に慎重な立場を示したことは、市場の予想よりもハト派的だった」としている。
ユーロ/ドルEUR=は前日終盤から約1.4%安の1.1651ドル。ロイターのデータによると1日の下落としては2016年6月以来の大きさとなる。ユーロ/円EURJPY=は1.2%安の132.79円。一時は134.48円と、2015年12月以来の高値を付けていた。
トランプ大統領の減税策への期待に加え、同大統領が来年2月に任期が切れるイエレン連邦準備理事会(FRB)議長の後任にイエレン氏よりも速いペースで利上げを実施する人物を選ぶ可能性があるとの観測から、ドルはこのところ上昇している。
次期FRB議長人事を巡っては、米政治メディアのポリティコがトランプ大統領と定期的に協議する関係者の話として、指名候補がパウエルFRB理事とテイラー・スタンフォード大教授に絞られたと報じた。トランプ氏は11月上旬に予定されるアジア歴訪前に候補を発表する見通し。
主要6通貨に対するドル指数.DXYは94.668と、3カ月ぶりの水準に上昇した。
ドル/円 NY終値 113.97/114.00
始値 113.62
高値 114.07
安値 113.58
ユーロ/ドル NY終値 1.1650/1.1651
始値 1.1812
高値 1.1815
安値 1.1641
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