2017年10月28日土曜日

「安全機能」ウリだったスバル、無資格検査の打撃大きく

 ものづくりの現場で起こる不祥事の連鎖がとまらない。安全を売りに近年、急成長を遂げたスバル。日産自動車と同じように、無資格者に完成車両の検査をさせていた。強い日本の車づくりを支えてきた「現場」でのルール違反。国は制度の見直しの検討に入った。

 「心からおわびを申し上げる」。スバルの吉永泰之社長は27日、東京都内の本社で開いた記者会見で謝罪した。25日、東京モーターショーの報道向け内覧会で日産や神戸製鋼所の不祥事について問われ、「日本の信頼が損なわれていることを心配している」と述べたばかり。会見では「自分の会社が不安の要素になっていることにじくじたる思いだ」と言葉を絞り出した。

 日産、スバルで問題になった「完成検査」は、各社が認めた正規の「完成検査員」が担当することになっている。スバルの社内ルールでは、完成検査員になるために「現場経験」を義務づけていた。養成課程の終盤で、「完成検査員になるために、無資格の人が完成検査に当たる」というちぐはぐさが生じることになる。

 このルールに従うため、上司の判断で、技能を十分に身につけたと認定した従業員を完成検査に当たらせていた。一方、完成検査員になるためにはもう一段、筆記試験で合格する必要があるとも決めていた。ルールそのものに、本来の制度とそぐわない矛盾を抱えていたのに、無自覚だった。

 日産のケースでは無資格者が単…

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