[東京 31日 ロイター] - ソニー(6758.T)は31日、2018年3月期の連結業績予想(米国会計基準)を上方修正した。為替が想定よりも円安方向で推移していることや、スマートフォン向けイメージセンサーなど半導体事業が好調に推移していることなどを反映させた。
営業利益予想は前年比2.1倍の6300億円(前回5000億円)と、1998年3月期に計上した5257億円を上回り、20年ぶりに過去最高を更新する見通し。
6300億円の内訳をみると、各部門の営業利益を加えると7860億円となるが、セグメント間取引の消去やビジネスリスクへのバッファー500億円などを織り込み、1560億円を差し引いた形となっている。
会見した吉田憲一郎副社長兼最高財務責任者(CFO)は営業利益予想について「500億円のバッファーをみているので、その意味では(6300億円は)保守的という見方もあるかもしれないが、現時点ではこれが最適な予想だ」と語った。
リスク要因については、最大の商戦期である10─12月期をまだ迎えていないことや部材のコスト高、為替変動などを挙げたが、「現時点で、顕在化しているリスクがあるわけではない」という。
会社予想はトムソン・ロイターがまとめたアナリスト26人の予測平均5873億円も上回った。
売上高は前年比11.8%増の8兆5000億円(前回8兆3000億円)を予想。下期の前提為替レートを円安方向に見直したことなどを織り込んだ。
前提為替レートは1ドル112円前後(7─3月前提110円前後)、1ユーロ130円前後(同120円前後)。
2017年4─9月期の売上高は前年比18.7%増の3兆9206億円、営業利益は同3.5倍の3618億円だった。売上高は過去3番目の水準、営業利益は1997年4─9月期の2376億円を超え、過去最高となった。
吉田副社長は過去最高益はソニー復活の象徴かと問われると「20年ぶりの過去最高益というよりは、20年間自分自身を超えられなかったと総括すべき。引き続き緊張感を持って経営に当たりたい」と慎重姿勢を崩さなかった。
同会見では、2020年度のメディカル事業の売上高目標2000億円を見直すことも併せて発表された。吉田副社長は「(設定した)2012年時点の読みが甘かったので、数字は撤回する」と述べ、次期中期計画で見直す意向を示した。
*内容を追加しました。
志田義寧
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