【ワシントン=河浪武史】国際通貨基金(IMF)は22日改定した世界経済見通しで、2018年の成長率を3.9%とし、昨年10月時点の予測から0.2ポイント引き上げた。日本についても、0.5ポイント上方修正して1.2%と見込んだ。米国の大型減税で同国の景気が上振れし、日本など貿易相手国の外需も高まると指摘。先行きのリスクとしては「物価や金利の予期せぬ上昇」をあげた。
IMFは18年の成長率が17年の3.7%からさらに加速するとみる。世界経済は08年の金融危機やその後の欧州債務危機などから脱し「循環的な成長軌道にある」と指摘した。トランプ米政権の発足などで保護主義の高まりが懸念されたが、17年の世界の貿易量は前年比4.7%増で、16年(2.5%増)から大きく回復した。
日本は世界貿易の拡大で輸出が底堅く伸びると見込み、18年の成長率予測を大きく引き上げた。ただ、19年は潜在成長率並みの0.9%成長に鈍化するとみる。
世界経済をけん引するのは10年間で1.5兆ドルという巨額減税を決めた米国だ。IMFは同国の18年の成長率予測を0.4ポイント引き上げて2.7%と見込んだ。19年も2.5%と高めの経済成長を見込む。ユーロ圏はドイツやイタリアなどの景気が上振れし、18年、19年とも成長率見通しを上方修正した。
米国の内需拡大が貿易相手国の景気を押し上げ、カナダやメキシコなどの成長率予測も引き上げた。中国は内外需とも底堅く、6%台半ばの経済成長が続くと見込んだ。16年はマイナス成長だったロシアとブラジルも17年にはプラス成長に戻り、世界経済は同時成長といえる局面にある。
ただ、景気押し上げ要因の一つだった世界的な低金利環境は転換点にある。IMFは米連邦準備理事会(FRB)の利上げが加速する可能性を示し、資産価格に下落リスクがあると指摘した。
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