2018年1月5日金曜日

経済界、賃上げ3%に前向き 首相が要請

 経済3団体の首脳は5日、新年の合同記者会見を都内で開いた。安倍晋三首相が経済界に要請した3%の賃上げにはいずれも前向きな姿勢を示した。労使交渉の土台となる日本経済の先行きにも強気な見方が目立った。

経済3団体新年祝賀パーティーで乾杯する安倍首相と経団連の榊原定征会長(5日午後、東京都千代田区)

経済3団体新年祝賀パーティーで乾杯する安倍首相と経団連の榊原定征会長(5日午後、東京都千代田区)

 経団連の榊原定征会長は春季労使交渉に関して「従来よりも踏み込んだ処遇改善でデフレからの完全脱却に貢献したい」と強調。定期昇給とベースアップを合わせた月例賃金や年収を3%引き上げることに関して「(企業に対して)前向きな検討を求めたい」と表明した。世界経済は北朝鮮情勢などのリスク要因があるが「世界も日本も拡大基調が続く」との見通しを語った。

 日本商工会議所の三村明夫会頭も3%の賃上げは「上げられる企業は上げるべきだ」と述べた。内部留保で現金が積み上がるのは「(経営者にとって)恥ずかしいことで有効活用しないといけない」と強調した。一方で「賃上げは目的ではなく個人消費を引き上げる手段だ」と指摘。貯蓄性向の上昇を反転させるために将来不安の払拭も必要と訴えた。

 経済同友会の小林喜光代表幹事は「(経営者は)今年はそれなりに給与を上げたいと思っているだろう」と賃上げに前向きな姿勢を示した。一方、「ベアまで踏み込む勇気がどれぐらいあるのかという段階だ」としてボーナスや手当を含んだ検討が進むとの見方を示した。株高や明るい見通しが多いなか「経営者は最悪を想定し、元気良くお金を使う年になるだろう」と語った。

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2536790005012018000000/

0 件のコメント:

コメントを投稿