[ワシントン 2日 ロイター] - 米労働省が発表した10月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が25万人増となり、市場予想の19万人増を上回った。失業率は労働参加率の上昇にもかかわらず49年ぶりの低水準となる3.7%を維持したほか、賃金の伸びは9年半ぶりの高水準となった。労働市場の一段の引き締まりが示されたことで米連邦準備理事会(FRB)が12月に利上げを実施するとの観測が一段と裏付けられた。
10月は前月はハリケーン「フローレンス」の影響で停滞したレジャー・接客部門の雇用が回復。製造、建設、専門職などの部門でも雇用は大きく拡大した。
労働省は10月半ばにフロリダ州を直撃したハリケーン「マイケル」による10月の統計への影響は軽微だったとしている。
ただ9月分は11万8000人増と、13万4000人増から下方修正された。
時間当たり平均賃金は5セント(0.2%)増加。前年比では3.1%増と、前月の2.8%増から加速し、2009年4月以来の高い伸びとなった。
10月は週平均労働時間が34.5時間と、前月の34.4時間から増加した。賃金の上昇は他の経済指標でも示されており、インフレ率が当面はFRBが目標としている2.0%近辺で推移するとの見方を裏付けるものとなる。
FRBは来週の連邦公開市場委員会(FOMC)では政策を据え置くとの見方が大勢となっているが、エコノミストの間では、10月の労働市場関連の経済指標が力強かったことで12月のFOMCでは利上げに動くとの見方が濃厚になっている。FRBは9月に今年に入ってから3回目となる利上げを実施している。
過去3カ月間の毎月の雇用増の平均は21万8000人。労働人口の増加に対応するためには毎月10万人前後の雇用増が必要とされているが、この水準を倍以上上回っている。
10月の労働参加率は62.9%と、前月から0.2%ポイント上昇。現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は7.4%と、前月の7.5%から低下した。
雇用率は60.6%と0.2%ポイント上昇し、09年1月以来の高水準となった。
業種別ではレジャー・接客が4万2000人増加。小売は増加したものの2400人増にとどまった。経営破綻した小売り大手シアーズ・ホールディングス(SHLDQ.PK)の店舗閉鎖などが影響した可能性がある。
建設は3万人増、製造は3万2000人増となった。製造業は前月の1万8000人に続く増加。トランプ米政権は保護主義的な貿易政策を打ち出しているが、これまでのところ米製造業に対する雇用面での影響は顕在化していない。
政府部門の雇用は4000人増加した。
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