日産自動車が22日にカルロス・ゴーン容疑者の会長職を解いたことを受け、仏ルノーと日産の連合を巡る権力闘争が始まりそうだ。
両社とも連合にコミットしていると表明しながらも、世界最大の自動車アライアンスの主導権を巡る争いに既に備えている。協議に詳しい複数の関係者が明らかにした。日仏両政府も自国の利益を守る姿勢で、近年では最も厳しい企業闘争に発展する可能性がある。
スターフォート・インベストメント・ホールディングスのケネス・コーティス会長は「アライアンスの危機は始まったばかりだ。全ての問題がこれから表面化するだろう」と述べた。
この記事は両社に近い十数人の関係者への取材に基づいている。各者は情報の部外秘を理由に匿名を条件に語った。ルノーの担当者はコメントを控えた。日産の関係者にコメントを求めたが現時点で返答はない。
ゴーン容疑者の会長解任を受け、日産の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)は既に連合の体制の見直しに向けた構想を練っていると、計画に詳しい複数の関係者が明らかにした。日産は連合へのフランス政府の干渉にかなり前から不満を抱いていたと関係者1人は指摘した。
ルノー側は連合の構造を急いで変えようとする動きには抵抗する構えだと、別の関係者らは説明した。考えられるシナリオの一つは、ドイツのダイムラーなど新たなパートナーを連合に引き入れ、欧州側の立場を強化することだと、関係者2人は語った。ただ、そうした計画が現在協議されているわけではないとした。ダイムラーは8年前、ルノー・日産と小型車などで協力を始めた。3社協力は3.1%の株式持ち合いによって支えられている。
フランスはさらに、トヨタ自動車のディディエ・ルロワ副社長など日産、ルノー両社が信頼する幹部を仲介役として起用する可能性がある。関係者1人が明らかにした。フランス人で元ルノー幹部のルロワ氏(60)は日本で高く評価されている経営者。同氏はコメントを控えている。
日産・ルノー連合は来週アムステルダムで会合を開く予定で、ダイムラーも参加する可能性がある。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
現在はルノーが日産に43.4%を出資して議決権があるのに対し、日産はルノーに15%出資するが議決権はない。日本の会社法では日産が出資比率を25%に上げるとルノーの議決権が消滅する。また日産が増資してもルノーの出資比率が下がり、影響力も低下する。ルノーの筆頭株主はフランス政府。
原題:Ghosn Exit Sets Stage for Showdown Over Renault-Nissan Future(抜粋)
Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-24/PIOCH86JTSE901
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