2018年11月20日火曜日

日産自2年ぶり安値、ゴーン会長逮捕「信用への影響甚大」と市場

Photographer: Christophe Morin/Bloomberg

日産自動車の株式に取引開始から大量の売り注文が殺到している。会長のカルロス・ゴーン容疑者ら同社首脳2人が逮捕されるという異例の事態を受け、株式市場にも衝撃が広がった。

  株価は一時、前日比6.5%安の940円まで売られ、2016年7月以来の安値となった。資本提携を結ぶ三菱自動車の株価も同6.9%の680円まで売られた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の杉本浩一シニアアナリストは19日付のリポートで「日産自動車の信用に与える影響は甚大」と指摘。当面は経営に与えた損害の全容解明、有価証券報告書の修正内容、近々発足するであろう新経営陣の発言等に注目したいとの見方を示した。

  ゴーン容疑者は日産自の会長のほか、仏ルノーと三菱自動車のそれぞれの会長も兼務し、3社連合(アライアンス)の会長兼最高経営責任者(CEO)を務める。

  野村証券の桾本将隆リサーチアナリストは同日付のリポートで、今回の逮捕を受けてアライアンスの先行きに対して「不透明要因が生まれたとは言えよう」と分析。一方、「日産自動車の経営陣によって既に実務面での運営がなされている点に鑑みれば、日産自の実務面への影響は比較的小さいとみられる」とも指摘した。 

  ゴーン容疑者の逮捕を受けて19日夜、横浜市内の本社で記者会見した西川広人社長は「アライアンスに影響を与える性格の事案ではない」と説明。ルノー、三菱自の両社と緊密に連携してアライアンスの活動に影響が出ないよう努力すると述べた。

  西川社長によると、ゴーン容疑者は報酬額を実際の額よりも少なく有価証券報告書に記載していたとして、東京地検特捜部が金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)容疑で逮捕した。

  日産自は22日の取締役会で、ゴーン容疑者の会長と代表取締役に加え、同じく逮捕されたグレッグ・ケリー容疑者の代表取締役の解職を提案する。三菱自もゴーン容疑者の代表取締役会長からの解職を取締役会に提案すると発表した。 

(2段落に株価の動きを追加しました.)

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-11-20/PIGT6Z6JTSE801

0 件のコメント:

コメントを投稿