2017年10月2日月曜日

日産自株11カ月ぶり下落率、在庫6万台販売停止-リコール不安で売り

日産自動車株が2日、一時前週末比5.4%安と大幅に4日続落。2016年11月9日以来の下落率となった。同社は、国内工場での車両の完成検査工程の不備を国土交通省から指摘され、販売会社の在庫車の登録手続きを一時停止すると9月29日に発表していたことが売りを誘った

  発表によると、国内工場での完成検査工程で、規定によって認定された検査員が一部項目の検査を実施していなかったことが同省の指摘で判明した。対象車両は21種で計6万台。現在は是正され、通常通り生産や登録手続きが行われているという。

  立花証券の大牧実慶アナリストは、リコールの全容が固まっておらず規模が不透明なことから、「業績への影響が分からず、不安で売られている」と指摘した。今後リコールの具体的な内容が明らかになれば株価は反発するとみている。

  日産自の広報担当ニコラス・マックスフィールド氏は車体の安全性に影響があるとは考えていないとコメントした。さらに、同社はきょう新型電気自動車「リーフ」を発売しており、今回の在庫販売の停止により一部顧客向けの納車に遅れが生じていることも明らかにした。

  SMBC日興証券クレジットリサーチ課の阿竹敬之課長は2日付のリポートで、今回の問題が現在の在庫や一部の出荷済み車両だけにとどまるのであれば、収益への影響は限定的と指摘。新車登録から初回の車検までは3年間。すでに車検を通した車両に問題がないと仮定すると、日産自の15年3月期から17年3月期までの3年間の国内販売台数は118万台であるため、リコールの対象になるのは「100万台程度が一つの目安となる」との見解を示した。

  阿竹氏はリコール対象になった車の「再検査が中心で部品交換が発生するケースはまれ」になるとみている。「再検査がディーラーで行えるものなのか、工場まで持ち込む必要があるのかによってコストは大幅に異なってくる」とし、「工場での再検査が必要となれば、車両運搬、代車などのコストに加え、製造工程にも支障が生じる可能性がある」と指摘した。

  ディーラーで検査が可能で1台当たりの検査コストが1万円となった場合には、100万台規模のリコールで100億円程度の収益にマイナス影響を与えると試算。今期(18年3月期)に想定している5350億円という純利益水準と比較すると「大きくない」との見解を示した。

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