2017年10月5日木曜日

【新聞ウォッチ】ホンダ 狭山工場 閉鎖へ、国内生産能力がマツダ、スズキを下回る5番目に後退

気になるニュース・気になる内幕---今日の朝刊(朝日、読売、毎日、産経、東京、日経の各紙・東京本社発行最終版)から注目の自動車関連記事をピックアップし、その内幕を分析するマスコミパトロール。

2017年10月5日付

●首相「アベノミックス加速」北対応・少子化争点、本紙インタビュー(読売・1面)

●ホンダ、国内生産を縮小、21年度にも、狭山工場を停止へ(読売・9面)

●米の新車販売初の前年超え、9月被災地で需要増(朝日・8面)

●米ウーバーに1兆円出資、ソフトバンク、取締役も派遣(朝日・9面)

●トヨタ、5万台リコール(朝日・29面)

●ガソリン価格3週連続上昇、平均133円70銭(毎日・7面)

●日産、組織的偽装か、検査しない有資格者の印(毎日・26面)

●日産無資格検査3年以上前から(日経・3面)

●トヨタクラウン「つながる車に」東京モーターショー出展(日経・13面)

●三菱自、米にPHVのSUV12月に(日経・14面)

ひとくちコメント

ホンダが国内の自動車生産体制の再編に乗り出した。埼玉県狭山市の狭山工場を2021年度をめどに、同じ埼玉県にある寄居工場に集約するという。八郷隆弘社長が記者会見で発表したもので、きょうの各紙も「ホンダ、国内生産を縮小」などと、取り上げている。

物は言いようで、ホンダはリリースでも「国内生産拠点の進化」と「グローバル生産技術の進化を日本で行う機能の新設」としており、イメージの悪い「閉鎖」や「リストラ」などという表現はしていない。このため、読売は「狭山工場の生産を停止し、寄居工場に集約する」と伝えている。もっとも、朝日をはじめ、毎日、日経などは「狭山工場を閉鎖へ」などと、ズバリ見出しに「閉鎖」と報じている。

狭山工場はミニバンの『フリード』や『オデッセイ』など年産能力25万台の規模で、1964年から稼働しているが、今年6月にはサイバー攻撃でコンピュータがウィルス汚染し生産を一時停止する被害もあり、設備の老朽化も進んでいるという。

ホンダが発表した工場再編計画では「狭山工場での生産や雇用は寄居工場に移し、現在、約4600人の従業員の削減は行わない」という。ただ、寄居工場は最新鋭の自動化技術を導入しており、そっくり移籍すると余剰人員を抱えることも懸念される。

それはともかく、ホンダでは、狭山工場の閉鎖に伴い国内の生産能力の縮小は避けられない。きょうの日経は「生産能力2割減」として、年106万台から81万台に削減する計画を中心に取り上げている。ホンダが81万台に削減すれば、マツダ(96万台)やスズキ(87万台)を下回り、国内の生産規模では5番目に後退することになる。生産体制の再編は「進化」という耳障りのよい言葉では、あっさり片づけられないようにも思える。

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