2017年10月2日月曜日

突然の発砲音 ネオンの中逃げ惑う観客 ラスベガス銃撃

 【米州総局】多くの観光客でにぎわうコンサート会場が一瞬にして惨劇の舞台に変わった。世界有数のカジノ集積地として知られる米ラスベガスで2日(現地時間1日)、発生した銃乱射事件。ホテルの高層階から連射された銃弾で50人以上が死亡、200人以上が負傷した。「助けて」「逃げろ」。逃げ場を失った人々は倒れ込み、自らの身を守るしかなかった。

 「ダダダダダ」。コンサート会場に響く男性歌手の歌声をかき消すように、銃の乱射音が鳴り響いた。現場に居合わせた人が撮影したとみられる映像を米メディアが放送。突然の凶行に観客らは「ぎゃー」と悲鳴を上げ、ホテルやカジノが立ち並ぶまばゆいネオンの中を逃げ惑った。

 米メディアは、コンサート会場に向けて、襲撃犯が近くのホテルの高層階から銃を乱射したと伝えた。放送された映像では、発砲に気付いた人たちが次々と悲鳴を上げて路上を走り、かがんだり伏せたりしながら、銃撃を避けようとしていた。映像が暗転しても、銃声と悲鳴だけが断続的に聞こえた。

 米メディアの取材に応じた観客は「ずっと発砲が続いた」と青ざめた様子で振り返った。「亡くなった人の上に人が重なっていた。立てばそこを狙ってくる。10分くらいだったろうか」と話した。

 銃撃現場から約3キロ離れたカジノホテル「シーザーズ・パレス」の周辺では、現地時間の2日未明まで警察の規制線が張られ、近くの幹線道路は通行止めとなった。取材に応じたホテルの男性従業員は「銃撃騒ぎなら過去もあったが、今回は規模が違う。計画的なテロなのではないか」と声を震わせる。

 ホテルの中にいたため銃声は聞こえなかったというが、発生直後に数人がホテルに避難してきた。その直後、何台もの救急車や警察車両が現場の方向に走っていった。

 現場はカジノホテルが集まる一角。男性従業員は「日本人も多く泊まる。被害を受けていないといいが」と心配した。

 現場から北へ5キロほど離れた日本居酒屋の男性店員は「ついに起きてしまったか」と言葉を失う。店舗は営業時間中で、事件の発生を知った来店客は騒然とした様子。「これまでもラスベガスではテロ組織による犯行が予告されていた。かなり多くの人たちが被害を受けたと聞いているが、詳しい状況がわからない」と錯綜(さくそう)する情報を注視した。

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