日産自動車が国の規定に反して無資格の補助検査員らに完成車両の検査をさせていた問題は、実際には検査に関わっていないのに、検査結果を記す書類上は正規資格を持つ検査員の氏名や押印があったことから発覚した。国土交通省は、長年にわたり検査部門で組織的な偽装工作が行われていた可能性があるとみて実態の解明を急ぐ。
日産は、神奈川、栃木、京都、福岡にある国内すべての完成車工場で、正規検査員に交じって補助検査員が日常的に出荷前の最終段階の検査を行っていた。最終検査は、1台ごとに8人程度が分担して行っている。ブレーキの利き具合などをチェックするもので、この検査を通らないと出荷できない。
日産によると、全国で正規検査員は305人、補助検査員は19人いる。国の規定では、最終検査はすべて知識や技術がある正規検査員が行わなければならないが、一部を補助検査員が行っていた。組織的に偽装工作が行われていたとすれば、品質管理に対する意識が厳しく問われることになりそうだ。
国交省は3日、京都と栃木両工場に抜き打ちで立ち入り調査を行った。今後、他工場でも実態把握を進める。
日産は既に販売店を含む在庫約3万4000台の再点検に着手している。週内に、計24車種を対象に販売済みの約121万台のリコール(回収・無償修理)を届け出る予定だ。日産は同問題について、原因究明と再発防止策をまとめ、10月末をめどに同省に報告する。【和田憲二、酒井祥宏】
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