2017年10月3日火曜日

トヨタ豪工場、半世紀の歴史に幕 現地の自動車生産消滅へ

 【メルボルン=共同】トヨタ自動車は3日、オーストラリア・ビクトリア州メルボルンにある現地法人のアルトナ工場を閉鎖し、約半世紀にわたる現地生産から撤退した。豪ドル高などで現地生産車は輸入車と厳しい競争を強いられていた。米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)系のホールデンもオーストラリアでの生産を今月終える計画。同国で自動車を生産するメーカーはなくなる。

 トヨタのオーストラリア現地法人は1959年に設立。63年から現地生産を始め、ピークの2007年には約15万台を製造した。

 オーストラリアの自動車市場は規模縮小が見込まれ、トヨタは「事業継続は困難」と判断し、14年2月に現地生産からの撤退を発表していた。人件費の高さも要因とされる。

 トヨタはアルトナ工場閉鎖に伴い、現地法人を18年から輸入販売会社に転換。シドニーにある販売・マーケティング機能をメルボルンの本社に集約する。製造部門を中心に人員を削減し、従業員数は現在の約3分の1の1300人規模に縮小。アルトナ工場は従業員や販売店の教育、商品開発の施設として引き続き活用する。

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