日産自動車の国内すべての工場で、出荷前に実施する完成検査が無資格の検査員によって半ば日常的に行われていた。自動車業界では、生産の拡大に内部管理が追い付かず、問題が発生する例が相次ぐ。日産も同じ失敗でつまずき、約121万台のリコール(回収・無償修理)に追い込まれた形だ。
「検査は登録された人以外やってはいけないという認識が薄まっていたのではないか」-。日産の西川広人社長は2日の記者会見で、検査制度に対する社内の認識が不十分だった可能性を認めた。拡大路線や人手不足が原因との見方は退けたが、利益優先の効率追求が、無資格検査を招いた可能性は否めない。
他メーカーでは、2015年秋にドイツ自動車大手フォルクスワーゲンでディーゼル車の排ガス不正問題が発覚。グループ会社を含め全世界で約1100万台の大規模リコールに発展した。
日本勢でも、世界販売を600万台へ引き上げる目標を12年に掲げたホンダが、翌年発売した小型車「フィット」のハイブリッド車でリコールを重ね、最終的に目標を撤回した。トヨタも米国で09年~10年に大規模リコールを迫られた。
高品質は日本車の代名詞であり強み。消費者の信頼を裏切る不祥事は、ブランド力の低下を招き、自動運転などITと自動車を融合した新分野の戦略に狂いが生じる恐れがある。(2017/10/03-19:14) 関連ニュース
2017年10月4日水曜日
日産も規模拡大でつまずき=内部管理追い付かず-自動車業界
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