◇「スマホの次」の技術として注目
米グーグルは5日、「グーグルホーム」の日本版を6日から発売すると発表した。今夏、機能を絞った「先行版」を発売していた無料通信アプリのLINEも5日、「Clova WAVE」の正式版の発売を宣言した。ネット通販最大手のアマゾンも「アマゾンエコー」を年内に日本に投入する。
AIスピーカーは、「スマホの次」を担う技術として注目されている「会話型AI(音声AI)」を搭載、このため「スマートスピーカー」とも呼ばれる。
会話型AIの技術は、スピーカーに話しかけて操作するもので、いわば「AIの執事」のようなもの。AIスピーカーは、この「執事」の機能を、家庭内で手軽に利用できるようにスピーカーに埋め込んだ。例えば、聴きたい音楽を再生したり、「今日の天気は?」といった質問に答えてもらったり、部屋の照明を付けたり消したりすることができる。
音声入力のため両手が自由に使え、スマホの小さい画面をのぞき込む必要がない。さらに、機械学習で利用者の好みを把握するため、使い続けるうちに応答結果の精度を高められる。
会話型AIの分野では、世界のIT企業が激しい競争を繰り広げている。よく知られた会話型AIとしては、グーグルの「グーグルアシスタント」、アマゾンの「Alexa(アレクサ)」、アップルのiphone(アイフォーン)に搭載されている「Siri(シリ)」などがある。LINEは「Clova(クローバ)」だ。
◇「音声認識」の精度の重要性
今回、AIスピーカーの代表格である「グーグルホーム」と「アマゾンエコー」が日本に上陸することになる。この二つとLINEの「WAVE」のいずれが日本の消費者から最も評価されるか、興味深いところだ。
LINEは、メッセージングアプリの分野では、フェイスブックメッセンジャーなど海外勢が浸透する前に圧倒的な国内シェアを獲得した。しかし、AIスピーカーでは日本市場で、グーグルやアマゾンと同じスタートラインから競争を始めることになる。
5日あったグーグルとLINEの発表では、音声認識と返答の正確さ、反応の早さが、消費者にとってはかなり気になるという点が印象的だった。この性能面の差は、3社の商品発売後、利用者のレビューなどを通じて商品の売れ行きに大きく影響してくる。
グーグル日本法人の徳生裕人・製品開発本部長はこの日の会見で、自社製品の強みについて「(グーグルの中核事業である)検索技術と音声認識」と答えた。LINEと比較すると、会話型AIのコア技術の音声認識については、技術の蓄積や海外での利用実績があるグーグルやアマゾンに一日の長があると言えるかもしれない。
◇LINEはどうグーグルやアマゾンと戦うか
LINEの舛田淳取締役は5日の会見で、グーグル、アマゾン両社への対抗策について、「日本の住環境、日本のユーザー環境を最適にとらえていきたい」と話した。そのため、LINEアプリとの連携を積極的に活用していくという。
LINEアプリは、日本での月間アクティブユーザー数が7000万人で、国内コミュニケーションツールの中での影響力が非常に大きい。「WAVE」の浸透に向けてはLINEの利用者をどう取り込んでいくかが課題になりそうだ。
また、小売価格の比較では、「グーグルホーム」が1万4000円(税抜き)、LINEの「WAVE」は、当初予定の1万5000円から値下げして1万4000円(税込み)とし、ほぼ同額とした。LINEは「WAVE」本体と、同社の音楽配信サービスの「LINEミュージック」12カ月分(月額960円)をセットにした期間限定商品の価格を1万2800円に設定、「お値打ち感」を打ち出す。。
一方、アマゾンエコーの国内販売価格は未定だ。アマゾンエコーは、アマゾンが運営するネット通販サイトで購買する際に利用できるという、消費者にわかりやすい特徴がある。また、アマゾンはネット通販を通して多くの日本の企業と協力関係を構築しており、アマゾンエコー上でどのような企業サービスが提供されるかも注目される。
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