人工知能(AI)を搭載したAIスピーカー商戦の火蓋が日本でも切って落とされた。グーグルは5日、AIスピーカー「グーグルホーム」を日本で6日に発売すると発表した。日本語で対話が可能だ。LINEも5日、機能を強化した正式版を発表。ソニーも年内参入を表明した。年末商戦では「スマートフォン(スマホ)の次」と期待される大型商品の市場が立ち上がる。
AIスピーカーは音声や言語を認識するクラウド型のAIを搭載し、話しかけることで家電製品や自動車、防犯機器など様々な製品の操作ができる。米国ではアマゾンが2014年11月に発売し、グーグルも16年11月に追随。両社合わせて既に1千万台以上を出荷しているとされ、市場は足かけ2年で約5倍の伸びを示している。関連サービスも広がる。
「OK、グーグル」という呼びかけが起動の合図。その後、探したい情報などを話しかけて操作する。「ニュースを教えて」と話しかけると、最新のラジオニュースを読み上げてくれる。「タイマーをセットして」「何分のタイマーですか」「3分」「セットしました」といった具合に対話形式で指示ができる。
グーグルの徳生裕人製品開発本部長はスピーカーの頭脳であるAI「グーグルアシスタント」について「検索はゴールではなく、仕事などの途中の手段として使ってもらうことも多い。検索を超えるニーズに応えるため開発した」と話す。
AIスピーカーの普及が進む米国では新サービスも生まれている。
就寝時に「おやすみなさい」とスピーカーに声をかけると家の防犯システムを作動させ、明日の予定を確認し、目覚ましをセットしたうえで消灯する――。4日の米国での会見でグーグルが提示したのはスピーカーがあれば他の家電の操作が不要になる生活だ。
アマゾンもエコーに搭載する会話型AI「アレクサ」の自動車への導入を進めている。独BMWの一部の車では18年半ばから車載マイクに話しかけることでアレクサを作動できる。カギがかかっているかやガソリンで走れる距離などを尋ねれば、車が音声で回答してくれる。
LINEもAIスピーカー「WAVE(ウェーブ)」の正式版を発表する。8月に音楽再生や天気予報の読み上げなどに機能を絞った先行体験版を発売していたが、機能を大幅に増やす。目玉は日本で7千万人の利用者を抱える対話アプリ「LINE」との連携だ。友人からのメッセージを読み上げてもらったり、音声操作でメッセージを入力、送信したりできる。ニュースの読み上げなど他社のAIスピーカーでよく使われる機能にも対応する。
アマゾンジャパン(東京・目黒)も年内にAIスピーカー「エコー」を日本で発売すると2日に発表している。
ソニーは「グーグルアシスタント」を採用したAIスピーカーを年内にも日本で発売する。米国などで展開することを決めていたが、日本にも投入。手をかざすだけで操作できる機能やコンパクトで高い音質を実現する。価格は米国で約200ドルで、日本でも同じ程度となる見通し。
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