三条市のJR信越線で普通電車が約430人を乗せたまま一晩にわたって約15時間半、大雪のため立ち往生したトラブルをめぐり、新潟市中央区のJR東日本新潟支社で19日、記者会見した今井政人支社長は、乗客や家族らに改めて謝罪した。その上で、三条市から申し入れがあったマイクロバスの提供を断ったことについて「全員救済にこだわり過ぎ、結果的に誤りだった」と述べ、関係機関の応援を受け入れなかったのは判断ミスだったとした。(市川雄二、太田泰)
電車は11日午後6時55分ごろ、三条市の東光寺-帯織間で進めなくなった。今井支社長は「災害並みの応援を頼む必要があった」と災害と捉えて判断、行動すべきだったと振り返り、午後9時台には詳しい情報を県に提供する必要があったと反省の弁を述べた。乗客への補償は「今のところは検討していない」とした。
再発防止策のうち、増設する線路の監視カメラ5台は同線の見附-羽生田間に今月中に整備する。同支社管内の監視カメラは既に上越線などに27台設置されており、計32台となる。
また、今回の事態を教訓に、前に進めなくなった電車をバックさせる段取りや要員の確保、駅と駅の間に列車を長時間停車させずに動かす手順も今後検討するとした。さらに、緊急時に確保できるバスの台数や営業時間外の連絡窓口についてバス会社に確認するほか、タクシーの活用方法も課題に挙げた。
このほか、警察や消防への協力要請も必要に応じて速やかに行い、一時避難場所の確保で県など行政機関との連携を図るとした。
車内に長時間閉じ込められた乗客からは、車内放送での情報提供の少なさに不安や不満の声が上がったことを踏まえ、乗客の救済計画や運転再開の見込みといった情報をトラブル時には随時提供する。
一方、米山隆一知事は19日の記者会見で、夜明けまで乗客の救出を待った同支社の判断に一定の理解を示しながらも「意思決定のオプションを相互に了解しておくべきだった」と指摘し、非常時の連携についてJRと自治体で確認する必要があるとした。
◇
■主な一問一答
JR東日本新潟支社の記者会見での主な一問一答は次の通り。
--三条市が支援を申し入れた経緯は
今井政人支社長「(午前)2時半ごろ、県の危機対策課から支社の広報室に現状の確認などの問い合わせがあった中で(三条市の)消防がマイクロバスを用意できるという話があった。全員の救出を考えていたのでマイクロバスでは困難と考え、お断りした」
--断った判断に誤りはなかったか
今井氏「大きなバスでの全員救済にこだわり、結果的に誤りだった。自前でやろうとしすぎた」
--立ち往生の長期化はどの段階で認識したか
今井氏「(除雪車が午前)0時に長岡を出る時点で、除雪には6時間ぐらいかかると考えた。『夜明けぐらいには』と(支社の)対策本部は考えていた」
--迎えに来た家族のことを乗客に伝えなかった
高橋淳志運輸部長「車掌は混乱しており、対策本部から車内でアナウンスをするように指示すべきだった。今後は対策本部から指示をしたい」
--乗客への補償は
今井氏「今のところは検討していない」
Read Again http://www.sankei.com/region/news/180120/rgn1801200043-n1.html
0 件のコメント:
コメントを投稿