正式な廃止から1年が経過した西武安比奈線では、遺構の「撤去」が始まっています。線路沿いを歩いて取材しました。
半世紀にわたって残された幻の鉄路
埼玉県川越市に、「幻の鉄路」とも言われる鉄道路線があったのをご存じでしょうか。
それは、西武安比奈(あひな)線。西武新宿線の南大塚駅と、入間川の右岸河川敷にあった安比奈駅を結んでいた全長3.2kmの貨物線です。1925(大正14)年2月に入間川の川砂利輸送を目的に開業。その後、川砂利採取の規制強化などにより、1963(昭和38)年に運行を休止しました。
その後、安比奈線は廃止ではなく休止線として存続。バブル期の1987(昭和62)年には、増加する西武新宿線の旅客輸送に対応するため、安比奈駅付近に車両基地を建設し、安比奈線を復活させる計画が発表されました。
しかし結局、その計画もバブル崩壊などによって無期限に延期され、2016年、中止が決定されます。そして2017年5月、安比奈線自体も正式に廃止されました。全線にわたってレールや架線柱が残され、首都圏の貴重な鉄道遺構として愛好家に親しまれてきた安比奈線ですが、同年末には施設の撤去開始が報じられました。
正式廃止から1年、安比奈線の現状を取材しました。
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