NY為替見通し=英米市場休場でドル円は動意薄も上値は限定的か
ドル円は、米朝首脳会談への期待感で堅調に推移したが、首脳会談にまつわるドル買いはもう市場は織り込み済みと思われる。本日、米朝会談開催決定もしくは中止の発表があった場合も、ドル円の反応も限定的になりそうだ。先週発表されたシカゴIMM先物市場での円のネットポジション状況は、5月22日時点で円は前週比で若干円ショートが増えた程度の小幅な動きだった。買い遅れの本邦勢と、着実に売りを抑える本邦輸出勢のオーダーが市場の動きを膠着状態にしていることで、投資家も一方向にポジションを傾ける地合いでは無さそうだ
本日の英国はスプリングバンクホリデーで休場、米国はメモリアルデーで休場となっていることもあり、上値は重いがドル円市場は109円前半を中心とした動きになるか。ドル円の上値を止めるのは、欧州の政局不安でクロス円の売りが上値を抑えていることも大きな要因だ。
オーダーは、109.00円から108円半ばまでは断続的に買い意欲が強い。4月23日以来ドル円は108円半ばを割り込んでいないため、108円半ば割れにはストップロスも観測されている。上値は、110.00円から断続的に売りオーダーが優勢となっている。
・想定レンジ上限
ドル円の上値のめどは、日足一目均衡表・転換線の110.18円。
・想定レンジ下限
ドル円の下値のめどは、5月24日の安値108.96円。
ドル・円は本日安値を更新、ユーロは下値を模索
[欧米市場の為替相場動向]
ドル・円は欧州市場で109円30銭に値を下げ、午前中に付けた本日安値を更新。欧州株式市場は下げに転じる指数が増え、イタリア株の下落が目立っている。また、スペインでは内閣不信任投票のプロセスが開始されており、それらを受けユーロ・ドルは一段安となり、1.1650ドルを割り込んだ。また、ユーロ・円は127円30銭を下回るなど下値を模索する展開で、ドル・円を押し下げているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円30銭から109円49銭。ユーロ・円は127円25銭から128円05銭、ユーロ・ドルは1.1642ドルから1.1697ドルで推移。
東京為替サマリー(28日)
東京午前=米朝首脳会談に向けた動きもドル円の買いを後押しせず
週明け東京午前の為替市場では、ドル円はオセアニア市場でつけた109.83円を頭に109.32円まで弱含んだ。史上初の米朝首脳会談が開催される可能性が再び高まり、ドル円には買いが先行したものの、仲値近辺からは売り戻しが優勢となった。トランプ米政権の自動車輸入関税への警戒感は残り、小高く寄り付いた日経平均がマイナス圏に沈むなど、米朝会談以外にドル円の買いを後押しする材料がなかったことで、短期筋の諦め売りもでたか。
先週は1.16ドル半ばで引けたユーロドルは、週明けは買い戻しが優勢となり、1.1713ドルまで上値を伸ばした。127円半ばで週引けしたユーロ円も128.37円まで上昇した。ドル円の下げとともに水準を落とすも、128円付近では底堅い。伊組閣で、ユーロ懐疑派であるサボーナ氏の経済相起用が拒否されたことを好感した動きか。
NY原油先物は時間外取り引きでも売りが優勢。先週引け67ドル後半から、4月17日以来の66ドル割れ、65.80ドルまで売り込まれた。来月開催される石油輸出国機構(OPEC)で協調減産の緩和の是非が問われることになり、原油ロングの投げが続いている。
ユーロは底堅い一方で、軟調な原油相場を受けてポンドの上値は重い。ポンドドルは1.33ドル前半で伸び悩み、朝方に146円前半まで強含んだポンド円も145.58円まで売り戻された。
加ドルも弱含みに推移し、対ドルでは1.2993加ドルまでの加ドル安・ドル高となり、加ドル円も84円後半から前半に水準を下げた。
オセアニア通貨は小じっかり。豪ドル/ドルは0.75ドル半ばでは下げ渋り、NZドル/ドルが0.69ドル前半で強含み。豪ドル円は83.06円、NZドル円が76.08円を上値に、それぞれ82円後半と76円手前で推移した。
東京午後=ドル円 109円半ばで下げ渋る、ユーロ円は堅調
東京午後の為替市場では、ドル円が109円半ばで下げ渋り。米朝首脳会談への期待感(地政学リスクの大きな後退)による買いはオセアニア市場で一巡したが、下値では底堅かった。オセアニア市場からのユーロ買いは東京午後も続き、ユーロドルが1.1728ドル、ユーロ円は128.54円まで上値を伸ばした。
ポンド円は145.58円を底に146円前半まで回復し、ポンドドルが1.3341ドルまでじり高。東京午前には、軟調な原油相場やブレグジット交渉への不透明感の高まりがポンドの重しとなった。午後にはNY原油先物が下げ渋り、堅調なユーロにも連れ高となった。週末にバルニエ首席交渉官が「英政府は、EU離脱後に締結する新通商協定を巡る駆け引きをすべきではない」と述べ、司法管轄権を巡り双方の合意が遅れるようだと交渉決裂につながる恐れとも発言している。
時間外取り引きのNY原油先物は66ドル前半で小動き。本日の67ドル台からの売りは一服したが戻りも限定。産油国通貨の加ドルは、対ドルでは1.30加ドル手前で足踏みし、1.29加ドル後半で上下した。加ドル円は84円前半で下げ渋った。
オセアニア通貨は底堅い動き。NZドル円が76.27円、NZドル/ドルが0.6960ドルまで上値を伸ばした。豪ドル円は83円付近、豪ドル/ドルが0.75ドル後半でじり高。
トルコリラ(TRY)円は23.20円から23.48円付近まで強含み。ドルTRYも4.66TRY台のTRY高水準で推移。先週末は、トルコ中銀が民間部門の外貨建て債務について一部の返済を軽減する旨を発表し、TRYが反発するきっかけとなった。また、26日にはエルドアン・トルコ大統領が、急落しているTRYを下支えるためにドルやユーロの貯蓄をTRYに交換するように国民に要請している。
ユーロ円127.32円まで下落、伊株は大幅マイナスに
ユーロが再び弱含んでいる。伊株FTSE・MIBは1.7%近い下げ、伊債も再び売られている。伊株の弱さに独DAXもマイナスに転じている。ユーロドルは1.1643ドル、ユーロ円は127.32円まで下値を広げている。
ドル・円は小動き、ユーロ・円は安値圏
[欧米市場の為替相場動向]
ドル・円は、欧州市場では109円40銭台で小動き。ロンドン市場が「スプリング・バンクホリデー」の休場で薄商いのなか、スペインを含め政治リスクへの警戒からユーロ・円は本日安値圏で推移している。ただ、欧州株式市場はイタリアなど一部を除き上昇基調となっており、ユーロ売りは限定的になっているもよう。
ここまでの取引レンジは、ドル・円は109円37銭から109円49銭。ユーロ・円は127円56銭から128円05銭、ユーロ・ドルは1.1661ドルから1.1697ドルで推移した。
伊債・伊株売られ、ユーロ円は127.60円付近まで下落
ユーロは軟調に推移している。伊債は売られ、伊株(FTSE・MIB)は0.5%を超えて下がっている。ユーロドルは1.1665ドル近辺、ユーロ円は127.60円付近で推移している。
東京為替概況:ドル・円は上げ渋り、米朝首脳会談期待の買いは一時的
今日の東京市場で、ドル・円は上げ渋り。109円83銭まで上昇後、一時109円32銭まで下落した。米朝首脳会談開催に向けた再調整の動きを好感して円売りが先行。その後、原油安による米株安・長期金利低下の思惑からドル売り・円買いが優勢になった。ただ、イタリアの政治リスク後退との見方からユーロ・円が一時買い戻されたことで、ドル・円は下げ止った。
ユーロ・円は127円92銭から128円54銭で高下。ユーロ・ドルは1.1677ドルから1.1728ドルまでじり高に推移した。
・17時時点:ドル・円109円40-50銭、ユーロ・円127円95-05銭
・日経平均:始値22488.95円、高値22547.67円、安値22410.91円、終値22481.09円(前日比30.30円高)
【ディーラー発】欧州通貨売り先行(欧州午前)
英国市場が休場で薄商いの中、次期イタリア連立政権の反EU的政策に対する警戒感が再燃。ユーロドルは1.1675付近まで値を下げ、対円では127円71銭付近まで下落し本日安値を更新。また、ポンドにも持ち高調整売りが進展し、対ドルで1.3313付近まで水準を切り下げ、対円で145円69銭付近まで値を崩すなど欧州通貨売りが先行。そうした中、ドル円は序盤こそ109円61銭付近まで反発したものの、戻り売りに押され再び109円40銭付近での揉み合いが継続している。17時58分現在、ドル円109.399-402、ユーロ円127.762-767、ユーロドル1.16785-789で推移している。
伊株は一時マイナス圏に、ユーロドルもじり安で1.1685ドル近辺
独紙シュピーゲルは、イタリア新政権はユーロ圏にとっては悪いニュースと報道されていたこともあり、新政権の組閣失敗はユーロ買いにアジア時間は反応した。欧州市場も、オープン時には伊債は買い戻され、伊株(FTSE・MIB)も大きく上昇した。しかし徐々に伊株は弱含みFTSE・MIBはマイナス圏に入り、一時0.2%を超えて下がっている。ユーロドルは1.1728ドルを頭に1.1685ドル近辺に、ユーロ円は127.90円付近までじり安となっている。
ドル・円は上げ渋り、米朝首脳会談期待の買いは一時的
今日の東京市場で、ドル・円は上げ渋り。109円83銭まで上昇後、一時109円32銭まで下落した。米朝首脳会談開催に向けた再調整の動きを好感して円売りが先行。その後、原油安による米株安・長期金利低下の思惑からドル売り・円買いが優勢になった。ただ、イタリアの政治リスク後退との見方からユーロ・円が一時買い戻されたことで、ドル・円は下げ止った。
ユーロ・円は127円92銭から128円54銭で高下。ユーロ・ドルは1.1677ドルから1.1728ドルまでじり高に推移した。
・17時時点:ドル・円109円40-50銭、ユーロ・円127円95-05銭
・日経平均:始値22488.95円、高値22547.67円、安値22410.91円、終値22481.09円(前日比30.30円高)
【経済指標】
・日・4月企業向けサービス価格指数:前年比+0.9%(予想:+0.5%、3月:+0.5%)
【要人発言】
・安倍首相
「米朝会談開催に向けた努力が進んでいることを評価したい」
「近いうちにトランプ米大統領と電話会談を行いたい」
ユーロドル1.1695ドル近辺までじり安、伊株上げ幅も縮小
ユーロドルは1.1728ドルを頭に再び1.1695ドル近辺までじり安となっている。イタリアの組閣失敗は、新政権がユーロに対して懐疑的なことでユーロにとっては好感されている。しかし伊株式市場も上げ幅を0.6%程度まで縮めたことや伊債の買い戻しも限定的であることで、再びユーロドルも重くなっている。ユーロ円は128.00円近辺で推移している。
欧州主要株価指数一覧
イギリス FT100
終値 :7730.28
前日比:+13.54
変化率:+0.18%
フランス CAC40
終値 :5569.29
前日比:+26.74
変化率:+0.48%
ドイツ DAX
終値 :13021.96
前日比:+83.95
変化率:+0.65%
スペイン IBEX35
終値 :9883.80
前日比:+57.30
変化率:+0.58%
イタリア FTSE MIB
終値 :22512.90
前日比:+114.75
変化率:+0.51%
アムステルダム AEX
終値 :564.76
前日比:+1.99
変化率:+0.35%
ストックホルム OMX
終値 :1597.17
前日比:+10.18
変化率:+0.64%
スイス SMI
終値 :8810.43
前日比:+51.35
変化率:+0.59%
ロシア RTS
終値 :1167.33
前日比:-2.60
変化率:-0.22%
イスタンブール・XU100
終値 :104899.40
前日比:+1699.30
変化率:+1.65%
ドル円109.45円近辺、英米市場休場で動きが鈍い
ドル円は109.45円近辺、ユーロ円は128.12円前後で小幅なレンジでの取引になっている。英米市場が休場なこともあり、為替市場全体が鈍い動きになっている。
ドル・円は伸び悩みか、米重要経済指標控え買い戻しは限定的
[今日の海外市場]
28日の欧米外為市場では、ドル・円は伸び悩む展開を予想する。米朝首脳会談の再調整の動きを好感して、東アジアの安定化を期待した円売りが主導する見通し。また、イタリアの新政権発足に伴う組閣の動向が材料視される。ただ、本日は英米が休場になるほか、週内の米国の雇用統計など重要経済指標の発表を前に、取引は手控え気味になろう。
トランプ米大統領は前週、米朝首脳会談の中止を発表。その後、北朝鮮が米国に対するけん制を弱めたほか、先月に続く南北首脳会談を開催したことなどを考慮し、米朝会談の再調整に前向きな姿勢に転じた。それに関連し、米代表団は朝鮮半島の軍事国境線である板門店で北朝鮮当局者と協議。米国務省は声明で「会談準備を引き続き進めている」と説明している。首脳会談が実現した場合の北朝鮮の非核化に関しては不透明で、今後の調整が注目される。ただ、韓国の文大統領が米朝会談に参加する可能性が報じられており、朝鮮戦争「終戦」により東アジアの安定化に期待が高まろう。こうした情勢を受け、週明けのアジア市場でドル・円は買い先行で寄り付いた。
他方、イタリア政局の行方にも注目が集まる。新政権の発足で財政拡大路線のポピュリスト政党の連立参加が取りざたされていたが、マッタレッラ大統領は欧州連合(EU)懐疑派の入閣に反対の意向を示した。それが好感され、本日はユーロ・ドルが1.16ドル後半から1.17ドル前半に値を切り上げており、目先ユーロの一段の買い戻しが見込まれる。ただ、今晩は英国市場がスプリング・バンクホリデー、米国市場はメモリアルデーで休場となり、週内に予定される米国の1-3月期GDP改定値や5月雇用統計の発表も意識され、ドル・円の値動きは限定的になりそうだ。(吉池 威)
【今日の欧米市場の予定】
・特になし
・休場:英国(スプリング・バンクホリデー)、米国(メモリアルデー)
豪ドルTWI=62.9(0.0)
豪準備銀行公表(5月25日)の豪ドルTWIは62.9となった。
(前日末比0.0)
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