「通信とライフデザインの融合」を掲げるKDDIが、米Netflixと組み、今夏、新たな料金プランを提供する。
なぜ料金とひとまとめする形になったのか。なぜNetflixと組むのか。29日に開催された発表会では、今年4月から新社長に就任した高橋氏は、プレゼンテーションや質疑応答を通して、その狙いを語った。
Netflixのピーターズ氏「モバイルがますます重要に」
Netflixのプロダクト最高責任者 グレッグ・ピーターズ氏は、1億2000万会員の半数が米国外のユーザーであり、エンターテイメント体験においてモバイルはますます重要になってきている、と指摘する。
常に新しいプロダクト体験、テクノロジーへの投資を怠らず、モバイルによるエンターテイメント体験の向上を図っている、とピーターズ氏。Netflixでは、著名な監督、俳優らとともにオリジナルコンテンツの制作にも注力しており、その数は、2018年末までに1000タイトルの新作を制作する予定。ピーターズ氏は「KDDIとともに真のワクワク体験(truely WAKUWAKU experience)を提供できることが嬉しい」と期待感を示した。
世界展開する企業との協力
Netflixとの提携による新プランは、大容量プランと動画サービスをセットで提供するもの。カウントフリーにしないのか、という問いに高橋氏は「ネットワーク中立性の観点から、大手携帯会社がカウントフリーを手がけることはグレーゾーンであり、そこまで踏み込まず、セットにする形にした」と解説する。
Netflixが日本市場向けにサービスの提供を開始した2015年9月、ソフトバンクとNetflixの提携が発表された。その関係は、今後も続くと語るNetflixのピーターズ氏は、auとの提携は新たなフェーズへの進展と説明する。
auの映像配信サービスである「ビデオパス」もセットになるが、Netflixとはコンテンツが重複しない、邪魔な存在ではないとピーターズ氏は指摘する。
ビデオパス自体は100万以上の会員を保有し、順調に成長してきたが、高橋氏は「グローバルプレーヤーの規模感はすさまじい。1億2000万もの会員を抱えるNetflixに、日本一国のKDDIはビデオパスだけでは、勝ち目がないというかなかなか追いつけない。今後、我々はOTT(Over The Top、コンテンツ事業者などを指す言葉)といかに組んでいくかがポイントになる」と述べ、1社だけで全てを手がけるのではなく、さまざまなパートナーと協力していく方針とする。
共同出資でコンテンツを作る計画はないとのことだが、高橋氏は「将来的にあってもいい」と含みを持たせる。
新プランが25GBになったのは、一般的なテレビの視聴時間が月間100時間程度であり、SD画質のビットレート(ピーターズ氏によれば450kbps程度)であれば、25GBあれば100時間程度、Netflixのコンテンツを楽しめるため。高橋氏はニーズがあれば25GB以外の容量を検討していくとしたほか、「固定系のバンドル(付属)も考えられる。光回線サービスとのバンドルは視野に入れている」と述べ、KDDI内でモバイル以外での連携を示唆。今回はauユーザー向けサービスだが、高橋氏はグループ内のUQやBIGLOBE、J:COMとの連携も「広がればいいなと個人的には思っている」と述べた。
Netflix側でもエンコーディングの工夫で高画質で配信できること、アプリ内でコンテンツへアクセスしやすくするために新たに導入したプレビュー機能などを導入しており、モバイルでの視聴のしやすさにも注力しているのだという。
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