JR西日本は23日、2020年春の運行開始に向けて準備を進める「新たな長距離列車」の車内デザインを公開した。117系6両編成を改造した全車指定席、定員90名程度の臨時列車として、京阪神から山陰方面・山陽方面など、期間を定め複数の区間を運行予定だという。
同社は「JR西日本グループ中期経営計画 2022」における事業戦略のひとつに「地域との対話と連携を通じ、観光を中心として西日本各エリアの活性化に貢献すること」を掲げており、その一環で「新たな長距離列車」の準備を進めている。「多様性」「カジュアル」「くつろぎ」をキーワードに、鉄道の旅の楽しさを知ることができる車両をめざす。
6両編成の1号車はグリーン車、2・3・5号車は普通車、4号車はフリースペース、6号車はグリーン個室とし、1両ごとに異なる座席タイプを配置して「多様性」を具現化した。「カジュアル」「くつろぎ」を両立できるように、シンプルながら快適性が高く、落ち着いた車内空間を提供。鉄道ならではの旅の魅力を感じられるように、車窓から沿線の風景を楽しめる座席配置とする。
1号車(グリーン車)は1列+1列シートで、向かい合う2つの座席を1名で利用できるゆったりとした空間を提供するとともに、2つの背もたれを倒すことでベッドにも転換できる。2号車(普通車)はフルフラットシートと2列+2列シートを配置。女性も快適に夜行列車の旅を楽しめるように女性専用席とし、女性更衣室・女性専用トイレを設ける。
3号車(普通車)はファミリーなどのグループ利用が可能なコンパートメントと、グリーン車並みの座席間隔となった2列+2列のリクライニング席を配置。コンパートメントのソファは折りたたみ式で、広げてベッドとしても使用できる。4号車(フリースペース)にはテーブルと着席スペース、グループで利用可能なボックス席、イベントでも利用できるカウンターなどを設け、利用者が思い思いに過ごせるようにする。
5号車(普通車)は学生なども気軽に夜行列車の旅を楽しめるように、寝台特急「サンライズ瀬戸・出雲」(285系)で採用された「ノビノビ座席」と同様のフルフラットシートをかつての寝台列車のように上下2段に配置し、横になってくつろげる空間に。車いす対応座席や多機能トイレも設置する。
6号車(グリーン個室)は最も上質な仕様として、プライベートな空間を確保できる個室5室を配置。うち1室は1名用個室となる。従来にない台形の個室とすることで、一定のベッド面積に加えてレール方向に約4mの長さを確保でき、ダイナミックな景色を気兼ねなく楽しめるという。ベッドは可動式で、ソファに転換することもできる。
「新たな長距離列車」は既存車両の改造ながら、長時間の乗車も想定した仕様となっており、幅広い層に鉄道の旅の楽しさを知ってもらい、繰り返し利用してほしいとの思いでデザインを検討してきたという。乗降口付近や運転台後方のスペースを活用し、車内を自由に行き来して過ごせるようなフリースペースも複数設置している。
訪日外国人の利用も考慮し、USBポートや車内Wi-Fi、多言語による自動放送と車内案内表示に加え、大型荷物置場も設置する予定。今後は沿線地域とも連携しつつ、途中駅でのご当地グルメの提供やおすすめの観光素材の整備を進めるとしている。
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