2018年5月30日水曜日

きょうの国内市況(5月30日):株式、債券、為替市場

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●日本株は大幅続落、イタリア発で株安連鎖-TOPIX6年ぶり連続安

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  東京株式相場は大幅安。TOPIXは約6年ぶりの8日続落。イタリアの政治混迷を受けた世界的な株安連鎖の流れが波及、リスク回避の売りが広がった。為替の円高警戒感も強く、輸送用機器など輸出株、非鉄金属など素材株、銀行など金融株中心に幅広い業種が安い。

  TOPIXの終値は前日比25.72ポイント(1.5%)安の1736.13と、2012年7月に記録した9日続落以来の連続安となった。日経平均株価は339円91銭(1.5%)安の2万2018円52銭と続落。両指数とも4月17日以来、1カ月半ぶりの安値に沈んだ。

  しんきんアセットマネジメントの鈴木和仁シニアストラテジストは、「イタリアで再選挙実施となれば、ユーロ離脱のシナリオまで想定すべきで、為替をはじめ金融市場の混乱が長引き、日本株も調整局面が続く」と懸念を示した。為替のユーロ安・円高が日本企業の業績を直撃するほか、「欧州の景気が既に減速し始めており、今後は数量効果も望めなくなるおそれがある」と言う。

  東証1部33業種は非鉄金属や保険、ガラス・土石製品、鉄鋼、輸送用機器、銀行、石油・石炭製品、機械など32業種が下落。上昇はその他製品の1業種。売買代金上位では、施工物件で建築基準法違反の疑いが浮上したレオパレス21が急落。米長期金利の低下を材料に、三菱UFJフィナンシャル・グループや第一生命ホールディングスなど金融株も安い。これに対し、「スイッチ」向けポケットモンスターゲームを発売する任天堂は高い。

  東証1部の売買高は15億9261万株、売買代金は2兆7783億円、代金は前日から36%増え、11日以来の高水準。値上がり銘柄数は292、値下がり1760だった。

●債券上昇、イタリア政情不安や超長期の需給逼迫感で-高値警戒も強い

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  債券相場は上昇。イタリアの政治情勢を巡る不透明感を背景にしたリスク回避の動きから買いが先行し、日本銀行が実施した国債買い入れオペで超長期債の需給逼迫(ひっぱく)感が示されたことも相場を支えた。

  長期国債先物市場で中心限月6月物は、前日比13銭高の151円10銭で取引を開始し、一時151円13銭と、日中取引ベースで3月2日以来の高値を付けた。午後には高値警戒感から上値の重い展開となり、結局は7銭高の151円04銭で引けた。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「日銀は市場の臆測を避けるために金利低下が進んでも買い入れを減額できないというリスクの方が意識されやすく、円債を買っても怖くない状況になっている」と指摘。ただ、「イタリアの情勢もさすがにギリシャのようにデフォルトリスクがあるとみる市場関係者は恐らくいないと思われ、積極的に買う動きもなく、10年債利回りのゼロ%を目指していくという展開も見込みにくい」としている。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の350回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)低い0.025%で寄り付き、午後4時前後には0.03%を付けた。

  超長期ゾーンでは新発20年債利回りが一時1bp低い0.495%、新発30年債利回りは2bp低い0.695%まで下げ、ともに4月19日以来の低水準を付けた。その後はそれぞれ0.50%、0.705%と低下幅を縮めた。

  日銀はこの日、長期と超長期ゾーンを対象とした国債買い入れオペを実施した。オファー額は5年超10年以下が4500億円、10年超25年以下が1900億円、25年超が700億円と、それぞれ前回から据え置かれた。オペ結果では10年超25年以下の応札倍率が1.86倍と、2017年7月以来の低水準となった。

●ドル・円は108円台後半、イタリア震源のリスク回避に一服感

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  東京外国為替市場のドル・円相場は午後の取引後半から1ドル=108円台後半で推移。前日の流れを引き継ぎイタリア政局を嫌気したリスク回避の円買いが先行したものの、取引終盤にかけては欧州勢入りとともにリスク回避ムードに一服感が出た。

  ドル・円相場は30日午後4時13分現在、前日比ほぼ横ばいの1ドル=108円80銭。前日の海外時間にリスク回避の株安・債券高となったのを受けて、約1カ月ぶりの水準まで売られた流れが継続する中、日本株の取引開始前に一時108円35銭まで下落。その後はイタリア大統領による発言を受けてユーロ主導でユーロ・円が上昇すると、ドル・円も108円89銭まで日中高値を更新した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部為替課の池島俊太郎課長は、足元の相場の動きについて「悪材料をいったんは織り込んだ形になった」と指摘。イタリアのマッタレッラ大統領が再選挙について真夏を避けたい意向を示したことが報じられると、「早いタイミングでの選挙が避けられるという安心感で、ユーロが全般的に買い戻され、ドル・円もユーロ・円の上昇に押し上げられた」と説明した。ただ、イタリアの政治リスクが長期化する可能性は残っていることから、「大きな反転は見込みづらい」との見方を示した。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、前日比0.3%高の1ユーロ=1.1576ドル。前日は一時1.1510ドルと昨年7月20日以来の水準まで下落。ユーロ・円は0.4%高の1ユーロ=125円95銭で、前日は昨年6月26日以来の124円62銭まで売られていた。

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Read Again https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2018-05-30/P9J0T36JTSEN01

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