2018年11月22日木曜日

日産社員、言葉少な ゴーン会長解任へ

日産自動車会長のカルロス・ゴーン容疑者(64)の報酬過少記載事件を受け日産は22日、同容疑者の会長職解任を議論する臨時取締役会を開いた。辣腕トップが退場を求められたことに、社員らは「仕方がない」「自業自得」と言葉少な。信頼を寄せていた社員も多く、「ゴーン会長なしの日産は考えられない」「本人の説明が聞きたい」と複雑な感情が漏れた。

臨時取締役会が行われている日産自動車本社(22日午後、横浜市西区)

この日、横浜市の日産本社では普段通り業務が続けられたがオフィスに出入りする社員は一様に硬い表情。50代の男性社員は、ゴーン会長が経営から退くことに関しては「逮捕されたのだから仕方がない」とばっさり。大きく傷ついた会社の信用について「気にしていないと言ったら嘘になる」と不安をみせる。

経営立て直しのため仏ルノーから送り込まれたゴーン会長は工場の閉鎖などコスト削減を推進した。「リストラの恐怖などでおびえた社員も多いと思うが、業績のV字回復でモチベーションが上がったのも事実」と複雑な気持ちが残るという。

同会長らが逮捕された19日の深夜には、西川広人社長が社員にメールで「突然の発表で皆さんも驚き、一体なにが起こっているのか、という大きな不安を抱かせてしまい、大変申し訳なく思っています」と釈明した。

ただ、検察の捜査を理由に会社からの詳しい説明はないまま。入社時からゴーン会長がトップだったという40代の男性社員は「報道以上の内容は分からない。社内は毎日、その話で持ちきり」と困惑する。

「ゴーンなしの日産は我々の世代では考えられない。雲の上の人」。カリスマ経営者の逮捕が社内に与えた動揺は収まっておらず、「早く落ち着いてほしい」と願う。

ゴーン会長は経営陣入りした当初、足しげく工場に出向き、生産現場を重視する姿勢をみせた。横浜市内にある主力工場の男性社員(46)はゴーン会長の剛腕ぶりを目の当たりにし「信頼できるリーダーが登場した。この人なら日産が変わるかもしれない」と信じて日産で働き続けてきた。

それだけに逮捕には「落胆した」といい、「今は実態が知りたいという気持ちだけ。本人からの説明を聞きたい」と言葉をかみしめるように話した。

別の男性社員(48)は「ゴーン会長がいなければ倒産していたかもしれない」と語りながらも「不正は不正。やってはいけないことをやり、逮捕され解任に至るのは自業自得だろう」と突き放した。

日産のロゴが入った作業着姿の男性(35)は以前から公表されるゴーン会長の報酬額に「そんなにもらっているのか」と驚いていた。過少記載の疑いが持たれていると知り「(不記載分も含めた)金額は大きすぎてピンとこない」と苦笑いした。

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