2017年10月2日月曜日

ガス小売り全面自由化から半年 切り替え36万7千件 調達など参入に壁 (1/2ページ)

 都市ガスの小売りが全面自由化し、1日で半年を迎えた。家庭向け契約の切り替え申込件数は8月25日時点で累計36万7079件と全体の約2%にとどまる。天然ガスの調達など新規参入の壁が高いことが要因だが、徐々に競争の兆しは見え始めている。(会田聡)

 ガス小売り自由化は平成7年の工場など大口契約から始まり、今年4月に家庭や中小企業向けも新規参入が可能になった。昨年4月の電力小売り全面自由化と合わせ、電力・ガス一括契約による割引などの価格競争が期待された。

 だが、自由化の大きな効果は出ていない。電力は昨年9月時点で全体の5.6%に相当する約349万件が切り替えたのに対し、ガスの切り替え申込件数は電力の10分の1程度だ。

 背景には新規参入の難しさがある。日本は天然ガスを輸入に頼るため、調達できるのは「ガス会社を除くと火力発電所を持つ電力会社ぐらい」(業界関係者)。電力のような卸市場がないことも響いている。

 また、保守・点検が不可欠な都市ガスは作業員が家庭に出入りするため、既存のガス事業者は多くの顧客情報を手に入れられる。既に電力小売りにも参入しており、ガスと電力の一括契約でセット割引を打ち出すなど“先手必勝”で顧客を囲い込もうとしている。

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