2017年10月4日水曜日

米ウーバー:取締役会がソフバンクの出資を承認-最大1410億円か

配車サービスの米ウーバー・テクノロジーズは3日、ソフトバンクグループからの大規模出資を受け入れることを決めた。同社は「数週間で」最終合意に至ると期待しているとした。カラニック前最高経営責任者(CEO)の影響力を制限する一連の企業統治改革も決めた。

  同社によると、現在11人で構成する取締役会は全会一致で企業統治の抜本的な改革を承認した。ウーバー取締役会は17人に増員され、増員分のうちソフトバンクに2人が割り当てられ、独立取締役が増える。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。ソフトバンクとの最終合意はまだだが、取締役会の承認は大きな前進となる。

  同関係者によると、ソフトバンクは10億-12億5000万ドル(約1130億-1410億円)を出資する予定。取得額は昨年のウーバーの評価額約700億ドルに基づく。またソフトバンクは投資会社のドラゴニア・インベストメントとジェネラル・アトランティックと共に、既存株主から発行済み株式の約14-17%を追加取得するという。

  詳細が非公開であることを理由にこの関係者が匿名で明らかにしたところでは、ウーバーは1株1議決権とする方針。ソフトバンク出資前の段階では、カラニック氏と、ベンチャーキャピタルのベンチマークが飛び抜けて多くの議決権を保有している。また同関係者によれば、取締役会は2年後をウーバー上場の期限とした。これまでに上場を果たせなければ、ウーバーは株主の株売却に対する一部制限を解除する。

  この取締役会の決定により、ベンチマークとトラビス・カラニック氏の法廷闘争は決着する可能性がある。ベンチマークは、ウーバーとソフトバンクが合意し、企業統治改革が完全承認されれば、カラニック氏を相手取って起こした訴訟を取り下げることで合意した。事情に詳しい関係者2人が明らかにした。同訴訟は現在、非公開で仲裁が行われている。

  ウーバーは電子メールで送付した発表資料で、「当社取締役会はソフトバンクによる出資案と、独立性を強化し株主の平等な扱いを確実にする企業統治改革を進めることを全会一致で承認した」と説明。「ソフトバンクが関心を示したことは、当社の事業と長期的な潜在性への素晴らしい信任投票だ。数週間で出資の最終合意に至ると期待している」と表明した。

原題:Uber Will Proceed With SoftBank Deal and Limit Kalanick’s Power(抜粋)

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