2018年5月15日火曜日

資料改ざん、行員が認識 スルガ銀が発表「営業が圧力」

 地方銀行のスルガ銀行(静岡県沼津市)は15日、シェアハウス投資向けの融資で、多くの行員が資料改ざんなどの不正を認識していたと公表した。同融資では、オーナーの預金残高の水増しなど資料改ざんが横行し、1人あたり億単位の資金が貸し付けられた。その後オーナーが返済に窮するケースが続出している。スルガ銀は今後、外部の弁護士による第三者委員会に詳細な調査を委ねる方針。

 スルガ銀は15日、沼津市での2018年3月期決算会見で、米山明広社長らがシェアハウス投資向け融資について説明した。融資残高は3月末時点で1200人以上へ計約2千億円超にのぼるという。

 今年初めの問題発覚後、行員向けアンケートを行ったところ、融資過程で資料改ざんが横行していたことが判明した。行員が指示したかどうかは「確認できていない」としたが、不正を「相当数の行員が認識していた可能性もある」という。

 シェアハウスオーナーの自己資金を多く見せかけるための通帳残高の改ざんや、物件価格を水増しした売買契約書をつくる「二重契約」が横行していたという。

 不正を認識しながら融資が実行された背景について、スルガ銀は「プレッシャーから営業部門が(融資の可否を判断する)審査部門より有位にたち、圧力をかける事案もあった」と説明。ノルマによって法令順守が軽視された可能性があることを示唆した。

 今後は第三者委員会で不正の実態について詳細に調べる。中村・角田・松本法律事務所の中村直人氏を委員長に、同事務所の計4人が委員を務める。

 同行の2018年3月期決算は経常利益が前年比7・2%増の1562億円、純利益は同50・5%減の210億円と大幅減益となった。シェアハウス関連融資が焦げ付く可能性があり、不良債権処理費用が前年より384億円も増えたためだ。

     ◇

 〈シェアハウス投資問題〉 不動産業者らが一括借り上げによる長期の家賃保証をうたい、会社員らをシェアハウスオーナーに勧誘。多くは自己資金ゼロで、スルガ銀行で1棟あたり1億円程度のお金を借り、相場より3~5割高く物件を買った。昨秋以降、家賃減額や不払いのトラブルが目立ち始め、融資過程で通帳コピーなどの改ざんが横行していたことも発覚した。

 多くのシェアハウスを売った不動産業者「スマートデイズ」(東京)は4月に経営破綻(はたん)。オーナーは億単位の借金返済に窮している。被害弁護団は不動産業者やスルガ銀行の責任を追及している。

     ◇

【スルガ銀が15日公表したシェアハウス融資の状況】

・2018年3月末時点の融資は、顧客1258人に計2035億円

・通帳コピーの改ざんなどの不正は相当数の行員が認識していた可能性がある

・増収増益のプレッシャーから営業が審査より優位に立ち、営業部門が審査部に圧力をかけるなど、審査機能が発揮できなかった

・一部の支店(横浜東口支店)でフリーローンを「融資の条件」としてセット販売していた

・営業成績を重視し、目先の成績追求に走り、コンプライアンス意識が低下した

・今後は通帳原本を確認するなど審査態勢を強化する

・営業成績の比重が大きい人事評価で、定性評価項目の割合を大きくする

・第三者委員会(委員長=中村直人弁護士)を設置して原因究明を行う

・第三者委や金融庁検査の結果を踏まえ、役員の経営責任には厳しい対応をとる

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://www.asahi.com/articles/ASL5H4W6LL5HULFA01N.html

0 件のコメント:

コメントを投稿