2018年5月22日火曜日

社会保障費増大 医療福祉分野の人手不足も追い打ち 国民的議論が急務

 政府が21日に公表した2040(平成52)年度の社会保障費の推計は、少子高齢化が進む中、給付費の膨張が20年以上も続く実態を改めて浮き彫りにした。これらの負担と給付の問題に加え、医療福祉分野で働く現役世代の急減も追い打ちをかける。消費税増税の先送りで中長期の社会保障改革は停滞気味だが、課題は山積しており、国民的議論が急務となっている。

 低成長下で現行の社会保障改革の計画を実行するケースで給付費の名目国内総生産(GDP)比の推移をみると、25年度では18年度とほぼ同水準だが、40年度には2.5%分も増える。

 厚生労働省は40年度までの負担について、給付費が6.8%分伸びた00年度から15年度にかけての期間ほどの急激な増加は必要ないとみる。しかし40年度に給付増に見合う負担増を行うのか、負担は増やさずに給付をカットするのか、また、負担増を求めるなら消費税増税なのか企業の保険料引き上げなのかなど、改革の方向性を決めていく必要がある。

 また財源が手当てできても人材不足は深刻だ。厚労省は40年度に医療福祉分野で必要な就業者数は18年度より242万人増えると推計。健康寿命の延伸やIT活用などの生産性向上などで必要な就業者数を130万人減らすことができるとも試算するが、18年度よりも大幅な上積みが必要であることに変わりはない。就業者数全体が926万人減る中での人員確保は困難とみられ、外国人労働者のさらなる活用が検討される可能性もある。

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