2018年5月4日金曜日

米ゼロックス、株主との和解失効 CEO一転留任へ

 【ニューヨーク=中山修志】米事務機器大手ゼロックスは3日、大株主のカール・アイカーン氏らとの和解案が失効したと発表した。ジェフ・ジェイコブソン最高経営責任者(CEO)ら取締役は退任を表明していたが、一転留任する。合意から2日で和解案が取り下げられる異例の展開で、富士フイルムホールディングスによるゼロックス買収は混迷の度合いを増す。

米ゼロックスはわずか2日で和解合意を取り下げる異例の展開に=ロイター

米ゼロックスはわずか2日で和解合意を取り下げる異例の展開に=ロイター

 和解案では富士フイルムの買収案に賛成していた同CEOら現取締役7人が退任する一方、アイカーン氏らが指名した6人が新たに就任する計画だった。和解の成立には裁判所の承認が必要だったが、期限の3日夜までに認められなかったため「効力を失った」(ゼロックス)。この結果、CEOを含む取締役7人は留任するという。

 ゼロックスは声明で「経営陣は引き続き業績改善に注力し、株主に価値を生むすべての選択肢を検討する」と強調した。これに対しアイカーン氏らは4日未明、ゼロックスの株主に宛てた声明で「経営陣が自らの都合で約束を破り、和解案を失効させた」と非難した。同時に株主に「富士フイルムとの取引中止と取締役の辞任を求めよう」と呼びかけた。

 富士フイルムはゼロックスとアイカーン氏らとの和解案について、ニューヨーク州上級裁判所に異議を申し立てていた。裁判所は3日に聴聞を開いたが「意見が出そろっていない」と判断を保留したもようで、今後、改めて審議するとした。ゼロックスを巡る買収交渉は、富士フイルムと反対する大株主との対立が激しさを増す。

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