気分が悪くなったら…スイッチ一押しでブレーキ 日野自が運転手の急病に対応 大型バスに標準装備へ

　日野自動車は２１日、走行中に運転手が急病などに見舞われた際にスイッチ一つで停止できる運転支援システムを商用車向けに世界で初めて実用化すると発表した。今夏改良の大型観光バス「セレガ」に標準装備する。この技術を高度化し、平成３４年をめどに実用化する自動運転車にも生かす。

　この日は、同社羽村工場（東京都羽村市）内のテストコースで運転手の急病を想定したデモを実施。時速約８０キロで走行中に運転席または客席最前列の上部にあるスイッチを押すとブレーキが作動し約１０秒で停止。車内外にはブザーやランプの点滅で停止を知らせた。

　今後は、運転手の異常を自動検知し路肩に安全に退避させる自動運転システムに進化させる計画だ。

　国土交通省によると、運転手の健康状態急変による交通事故が年２００～３００件発生しているという。同社の遠藤真副社長は「特に観光バスの事故ゼロに向けた取り組みを優先的に進めたい」と強調した。

　同社は、３７年以降に高速道路で完全自動運転を実現するとのロードマップも発表。３４年ごろには、緊急時のみ人が関与する「条件付き自動運転」機能の搭載車の実用化を目指す。

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://www.sankei.com/economy/news/180521/ecn1805210016-n1.html