2017年10月4日水曜日

JR大阪環状線103系が引退、48年の歴史に終止符 - 最終日は特別な車内放送も

JR西日本は3日、大阪環状線の103系について「本日たくさんのファンに見送られ勇退しました」と発表した。最終日の車内では、感謝の気持ちを込めた特別な車内放送も行われたという。103系引退スペシャルムービー「LOOP 大阪環状線」も反響を集め、YouTubeの動画は公開から約1カ月で視聴回数44万回を突破している。

大阪環状線103系の最終列車が到着した京橋駅。多くの鉄道ファンらが集まった(写真はすべてオフィシャル画像)

大阪環状線の103系は1969(昭和44)年12月10日の登場以来、48年間にわたり同線の"顔"として活躍してきた。新型車両323系の投入にともない通勤形電車103系・201系の置換えが進められ、オレンジ色の103系は形式にちなんだ10月3日をもって"勇退"(引退)することが発表された。103系引退スペシャルムービー「LOOP 大阪環状線」では、大阪環状線103系について「総走行日数 17,464日」「総走行距離 約9億5千万km」と紹介している。

営業運転最終日の10月3日は午前中のみの運用となった。運行区間の駅・沿線で鉄道ファンや地元の人々が103系にお別れする様子が見られ、「思い出のある電車なのか、年配の方がご夫婦で撮影されている姿も見受けられました」とのこと。103系をモチーフとした商業施設「ビエラ玉造」では、地元園児による「103系電車おわかれ会」が開かれ、園児たちが旗を振り、通過する103系を見送った。

「ビエラ玉造」の屋上で、地元園児が103系の通過に合わせて旗を振る

最終日の車内では、「ただいまご乗車中の103系電車は、本日をもちまして大阪環状線を卒業いたします。オレンジ色の電車として親しまれていましたが、新型車両323系電車にその役目を引き継ぎます。1969年12月10日のデビューから48年、長きにわたりご利用いただき誠に有難うございました」という内容の特別な車内放送も行われた。最終列車の終点となった京橋駅ホームは多くの鉄道ファンらで埋め尽くされ、「さようなら」「長い間お疲れ様」などの声も。営業運転を終えた103系は回送列車となって森ノ宮の車庫(吹田総合車両所 森ノ宮支所)へ戻り、48年間の歴史に終止符を打った。

9月5日に公開された103系引退スペシャルムービー「LOOP 大阪環状線」は、チャットモンチーの楽曲「サラバ青春」を起用し、103系から見た前面展望映像と103系の歴史写真を組み合わせた内容で、「泣ける」「最後まで見てしまう」「いつも乗っていた思い出の車両」「48年間お疲れ様」など、さまざまな反響が寄せられた。今回の103系引退プロモーションを企画した「大阪環状線改造プロジェクト」担当者も、「予想以上の大きな反響に驚きました。社内でも思い入れや愛着を持つ社員が多く、今回の営業運転終了は我々にとっても感慨深いものでした」とコメントしている。

なお、JR西日本と淡路屋は大阪環状線103系の引退を記念し、特製駅弁「ありがとう大阪環状線103系弁当」(税込1,100円)を発売すると発表。アントレマルシェ大阪店や淡路屋売店(新神戸駅・神戸駅・西明石駅)にて、12月31日まで販売される。大阪環状線では今後も新型車両323系の投入が進められ、103系と同じ国鉄継承車両の201系(大阪環状線への投入は2005年以降)も、来年度をめどに323系への置換えが予定されている。

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