
【ワシントン清水憲司】米娯楽・メディア大手ウォルト・ディズニーは14日、ルパート・マードック氏が会長を務める米メディア大手「21世紀フォックス」から、映画スタジオなど一部事業を買収すると発表した。コンテンツ事業を強化して、映画・動画配信サービスで台頭するネットフリックスやアマゾン・コムに対抗する。
発表によると、買収額は負債込みで661億ドル(約7.4兆円)で、株式交換で実施。ディズニーは映画スタジオ「20世紀フォックス」や雑誌・番組制作「ナショナルジオグラフィック」などを傘下に収める。動画配信サービスの「Hulu(フールー)」の株式も取得する。「FOXニュース」などニュース部門は買収の対象に含まれず、別会社に移した上で今後もマードック氏が率いる。
米娯楽・メディア業界はインターネットを使った配信サービスの普及で、視聴者や広告収入が減少する構造変化に直面。ディズニーは対抗策として自前の配信サービスを計画中で、ロバート・アイガー最高経営責任者(CEO)は「今回の買収で世界中の消費者と直接つながる戦略を加速できる」とメリットを強調した。
一方、マードック氏は株式交換で自社の株主がディズニー株を取得することを念頭に「ディズニーが引き続き業界を先導することで、(21世紀フォックスの)株主価値が高まる」との声明を出した。
マードック氏は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルなどを発行する「ニューズ・コープ」も引き続き率いるが、企業買収による拡大路線で「メディア帝国」を築いたマードック氏にとっては大きな戦略転換となる。ただ今回の売却で財務が強化され新たな買収も可能となるため、「メディア王」の次の一手が注目される。
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