2018年4月14日土曜日

スルガ銀立ち入り ずさん融資、被害拡大 「不正行為」関与焦点

 金融庁がスルガ銀行への立ち入り検査に踏み切ったのは、同行の融資が、女性向けシェアハウスを展開するスマートデイズの投資トラブルの被害を拡大させた可能性が高いとみているためだ。スルガ銀は、独自の商品や審査基準で他行との差別化を図り、高い収益につなげてきたが、現場に大きな権限を与える経営が裏目に出た可能性が指摘されている。

 スルガ銀は、1980年代に法人向け融資中心の従来型業務から、「リテール(小口)バンキング」に切り替え、個人向け融資に事実上特化するなど独自のビジネスモデルを展開してきた。

 不動産向けのローンでは、建物の耐久年数を大幅に超える長期融資など、投資用物件への融資メニューも積極的に展開。早い審査も好評で、大手行では最短でも2週間かかる審査を5営業日で終わらせるほどだった。

 金融庁幹部は「融資の回答が早いうえ、期間は長くて金利は高い。地方銀行の中で注目株だった」と語る。地銀の再編を進めたい森信親長官も、講演でスルガ銀の名前を挙げながら「大きくなることが唯一の解決策ではない」と、高収益のビジネスモデルを評価していた。

 だが、スマートデイズの問題では、こうした審査体制が裏目に出た。同社は、シェアハウスオーナーに関心を持つ会社員らの大半に、スルガ銀の横浜市内の支店の融資を勧めていた。関係者によると、預金などの少ないオーナー候補については、スマートデイズが通帳のコピーの数字を改ざんするなどして資産を多く見せかけ、審査を通していた。金融庁はスルガ銀の融資審査体制に問題があっただけでなく、こうした不正行為に、スルガ銀側の担当者が関与した疑いもあると見ており、両者が結託して被害を拡大させた可能性も視野に調査を進める。

 サブリース(借り上げ家賃保証)と呼ばれる仕組みでシェアハウスのオーナーとなり、多額の借金を抱えた所有者は約700人におよび、現在訴訟を準備中だ。スルガ銀に対しても、不正な手続きで融資が行われたとして返済猶予などを求めている。

 スルガ銀は現在は行内調査を進めているが、所有者らへの対応は「検討中」とするにとどめている。【鳴海崇】


 ■KeyWord

スルガ銀行

 1895年に設立した静岡県沼津市に本社を置く地方銀行。店舗数は133店で、静岡県東部と神奈川県西部を主な地盤とするほか、東京や他府県の中心都市にも店舗を展開している。

 1985年就任した創業一族の岡野光喜前社長(現会長)の時代にリテール(小口)バンキングへの転換を打ち出し、90年に行名表示を駿河銀行から現在の名称に変更した。融資の大半を個人向けローンに注力する独自のビジネスモデルで知られ、近年は比較的金利の高いアパートローンも強化することで、地銀トップクラスの高い収益率を上げてきた。2017年3月期の最終(当期)利益は、前年同期比16%増の426億円。

Let's block ads! (Why?)

Read Again https://mainichi.jp/articles/20180414/ddm/008/020/027000c

0 件のコメント:

コメントを投稿