2020年にシェア4割を取り、リーダーになる
2017年7月に発売されたJTの加熱式たばこ「プルーム・テック」。2018年は販売エリアを広げていく方針だ(撮影:今井康一)
2月6日、日本たばこ産業(JT)は2017年12月期(国際会計基準)の決算を発表した。売上高は2兆1396億円(前期比0.2%減)、営業利益は5611億円(同5.4%減)と減収減益で着地した。海外事業は順調だったが、国内事業の不振が響いた。
国内では喫煙人口の減少に加え加熱式たばこ市場が急速に拡大。JTはこの流れに乗り遅れ、紙巻きたばこ市場の縮小影響をモロに受けた。そこで、同社は現行の加熱式たばこ「プルーム・テック」に加えて、新製品を2018年末から2019年初めにかけて発売すると発表。1月に就任した寺畠正道社長は決算会見で「今後3年間で1000億円を投じ、2020年末に加熱式たばこ市場でトップシェアを取る」と宣言した。
国内のたばこ市場は今、大きな転換点を迎えている。加熱式たばこが急拡大する一方で、国や東京都が受動喫煙防止対策の強化に乗り出した。寺畠新社長について、小泉光臣前社長は「グローバルに物事を考えられるセンスがある」と評する。逆風が強まる中、どのようにJTを率いていくのか。寺畠社長を直撃した(インタビューは1月11日実施)。
反省しなければならない
――喫煙者が減少する日本で、どのように戦っていきますか?
2017年は紙巻きたばこの市場が前年比で10%以上縮小した。今後も国内では紙巻きたばこの販売本数が伸びることはないだろう。全体のボリュームが減る中では、シェアをしっかり取っていくことが重要だ。注力するブランドへの投資を継続して、現在のシェアを維持・向上させていく。
一方で、加熱式たばこの存在感が増してきている。2018年は当社の加熱式たばこ「プルーム・テック」の販売地域を広げて、着実に供給量を増やしていきたい。
──加熱式たばこはフィリップ モリス ジャパンが販売する「アイコス」に後れを取っています。
加熱式たばこは2017年末でたばこ市場全体の18%程度になったと推測している。正直、ここまでのスピードで加熱式たばこが普及するとは思っていなかった。こうした状況を読み切れなかったことは、反省しなければならない。
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