日本航空と全日空系の2人のパイロットが10月下旬に飲酒で乗務できなかった問題で、2人の乗務前日の状況や検査のずさんさが両社の報告書などで明らかになった。全日空系の機長は記憶を失うほど飲酒し、出発8時間前に飲食店のエレベーターホールで居眠りするまで泥酔していた。日航の副操縦士は機長の確認も不十分で、検査をすり抜けて搭乗までしていた。
両社は16日に国土交通省に報告書を提出。全日空の報告書によると、グループ会社の機長(諭旨退職)は沖縄県内を結ぶ計5便に搭乗予定だった前日の10月24日、午後5時ごろから同じ石垣島泊だった全日空の機長と飲食し、4軒訪問した。
4軒目の店員が途中から2人の姿が見えなくなったため捜したところ、グループ会社の機長はエレベーターホール付近に泥酔状態で寝ており、25日午前0時10分ごろ退店。宿泊先ホテルによると、ホテルに帰った後も他の部屋を開けようとしたという。
この機長は25日午前8時10分発那覇行きの便に乗る予定だったが、体調不良で乗務できず、計5便に最大約1時間の遅延が生じた。同社の運航規定は乗務12時間前以降の飲酒を禁止しているにもかかわらず、約10時間前まで合計でハイボール6杯、ビールと泡盛各2杯を飲んでいた。
日本航空の副操縦士は乗務前のアルコール検査がずさんだった。
日航の報告書や同社の説明によると、検査では機長2人と副操縦士の計3人で呼気を吹きかける様子などを相互に確認することになっているが、1人の機長は結果しか確認せず、もう1人の機長は副操縦士の検査方法が「少し雑だ」と感じたもののやり直しを促していなかったという。
このため副操縦士は検査をすり抜け、機長2人とともに出発前の機内まで移動していた。だがホテルから機体まで送迎するバスの運転手が副操縦士のアルコール臭に気付き、保安担当者に連絡。保安担当者が搭乗した副操縦士を呼び戻そうとしたところ、副操縦士は「酒は飲んでいない」「マウスウオッシュによるものだ。うがいをさせてほしい」と大声で叫んだという。
日航は「周囲に悟られることを警戒してマウスウオッシュを使用していたと考えられる」としている。副操縦士はこの後、基準を大幅に超えるアルコールが検出され、英国の警察当局に逮捕された。
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