日産自動車会長カルロス・ゴーン容疑者の逮捕を受け、同容疑者が主導した再建計画で閉鎖された自動車工場の地元で失望が広がっている。「コストカッター」の異名を持つ経営者の転落に、かつての自動車城下町では「実績を出したのに台無しだ」などと声が上がった。
ゴーン容疑者は1999年、約2万1000人のグループ従業員削減や5工場の閉鎖などを柱とする「リバイバルプラン」を発表。あおりを受けた日産の企業城下町では、多くの人が転居や転職を余儀なくされ、商店街の衰退も進んだ。
久里浜工場があった神奈川県横須賀市では、下請け工場が仕事を失い、人口流出とともに地域の高齢化にも拍車が掛かった。久里浜商店会協同組合の森下守久理事長(73)は「非人情的で強引なリストラをすれば、経営が回復するのは当たり前。日本人ではできなかっただろう」と振り返る。「V字回復はゴーン氏一人ではなく、従業員が一丸となって頑張った結果。逮捕は残念なことだ」と語った。
日産車体京都工場があった京都府宇治市も、閉鎖に伴って地域の活気が失われた。酒屋を経営していた女性(75)は「地元のスナックがつぶれ、お酒の納入先が減った」と語る。経営再建に手腕を発揮した実力者の転落に「実績を出したのは確かだが台無しだ」と嘆いた。(2018/11/20-17:16)
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