2018年11月7日水曜日

トヨタ、米で一部モデル打ち切りも SUVブームに対応

パリ・モーターショーで披露された新型「トヨタRAV4」
パリ・モーターショーで披露された新型「トヨタRAV4」 Photo: benoit tessier/Reuters

 【東京】北米トヨタのジム・レンツ最高経営責任者(CEO)は6日、米国で不採算モデルの一部を打ち切る可能性があると表明した。レンツ氏は「あらゆる分野を精査する。利益の出る分野で競争し、ブランドにとって戦略的価値のある製品を販売するためだ」と話した。

 トヨタが精査しているのはサブコンパクトカー「ヤリス」など、スポーツタイプ多目的車(SUV)より人気のない低燃費車。今年はヤリスの米国販売が急減している。トヨタは米国で販売するハイブリッド車(HV)「プリウス」のモデル数を減らし、スポーツクーペやコンバーティブルといったニッチ製品も縮小する可能性があるという。

 レンツ氏を動かしているのは米消費者の嗜好(しこう)の変化だけではない。トヨタは2021年3月期の北米事業の営業利益率の目標を8%としている。トヨタの広報担当者は足元の営業利益率の公表は避けたものの、目標達成が困難になり得ることを示唆した。

 トヨタが6日発表した7-9月期決算は営業利益が5790億円と、前年同期から11%近く増加した。米新車販売は減少したものの、利幅の大きいトラックとSUVの販売が伸びたことが奏功した。1〜10月の米国販売に占めるトラックとSUVの割合は63%で、前年同期の58%を上回った。

 欧米自動車大手フィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)はトラックの生産を強化するため数種のセダンを打ち切った。その結果、米国での利益率が大きく伸びている。フォード・モーターは米国でセダンをほぼ全面的に打ち切る計画だ。

 レンツ氏は「乗用車ビジネスから撤退するのは間違いだと思う」としながらも、いくつかのモデルの廃止を検討していると説明した。

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 ヤリスは1〜10月の米国販売が8割近く落ち込んだ。プリウスの小型版「プリウスC」の販売は3割余り減少している。トヨタは米国で既に中型の「プリウスV」の販売を打ち切った。

 レンツ氏は、電動モーターとガソリンエンジンを併用するHV技術がプリウスだけでなく、多くのモデルで利用できるとの認識を広めたい考え。トヨタはSUVの「RAV4」や「ハイランダー」といった人気車のHV版の販売を拡大し、米国販売に占めるHVの割合を現在の9%前後から、2020年には15%に引き上げることを目指している。

 レンツ氏は、HVといえば経済性という認識をプリウスが確立したと説明。トヨタはそれをさらに広げたいとした。「HVは経済的であると同時にドライブするのも楽しいと理解されるように、HVのブランドを再構築する必要がある」と話した。

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